1996-05-07 ArtNo.5948
◆<星>クリエイティブ、第3四半期にUS$3310万損失
【シンガポール】クリエイティブ・テクノロジーは1996年3月末締め第3四半期にアナリストらの予想を遥かに上回る3310万米ドルの純損失を計上した。
シム・ウォンフー会長は土曜に催された証券アナリストらとの会談の席上、CD-ROMドライブの在庫問題は既にコントロールされていると強調するとともに、相手先製造業者(OEM)を通じたセールスの比率を高め、不良在庫のリスクを軽減する考えを明らかにした。第3四半期の損失は主に3200万米ドルの在庫抹消と、米国リビール・コンピューター・プロダクツの権益買収計画破棄に伴う460万米ドルの違約金支払いに伴うもの。同社は去る3月、第3四半期には2000万~3000万米ドルの在庫抹消を行うとの異例の声明を発表しており、損失計上は予想されていたことだが、損失額は1000万~1500万米ドルの範囲と見られていた。外国証券会社のアナリストは「3310万米ドルの損失は異常で、たとえ帳簿抹消がなかったにしても営業状態は決して良くない」と指摘、別のアナリストは、営業額が僅か0.6%増の2億8210万米ドルにとどまったことから、「クリエイティブはセールスを拡大する創造性も喪失したようだ」と語った。利益率も前年同期の22.8%、前期の20.8%から4.4%に縮小しているが、INGベアリングのアナリストは「在庫抹消がなければ第3四半期のマージンは15.8%だったはず」とし、今期のマージンは新たな在庫抹消がなければ20%台に回復すると予想している。
OEM方式への転換に伴いマージンが一層縮小する可能性に関して、シム氏は「保険料のようなもので、安全を考えればそれは支払わねばならない」と語った。第3四半期のセールスに占めるOEMの比率は28.1%だったが、来年は30%に引き上げられると言う。(ST,BT,LZ:5/6)
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