SEAnews 1996-04-26 ArtNo.5839

【シンガポール】ゴー・チョクトン首相は24日催された世界貿易会議の開幕式の席上、シンガポールは基本的電気通信サービス市場を当初の予定を5年早めて2002年に開放すると宣言した。
首相によると、世界貿易機構(WTO)は4月30日をデッドラインとする通信市場開放協議の突風に見舞われているが、シンガポールは開放案を強く支持するものであり、目下ジュネーブで進められている世界電気通信協議に上記の内容を含む新たな市場開放案を提出すると言う。
シンガポール電信局(TAS)はゴー首相の以上の談話を受けて、同日新提案の詳細な内容を発表した。それによると、いわゆる基本的電気通信サービスとは、国際直通電話、専用回線、国内電話から成り、シンガポール政府はこれまでＷＴＯに対してシンガポール・テレコムの独占経営権が満期を迎える2007年以降に同市場を開放すると約束していた。しかしながらＴＡＳは特別条款の下、2007年を待たずに2002年4月以降、シンガポール・テレコムの独占権を停止し、市場を開放する権限を認められおり、このほど同権限を行使する方針を決めたと言う。
欧州共同体(EC)理事会のレオン・ブライタン副理事長は、「シンガポールの新提案は間違いなく触媒効果を発揮するだろう。タイ、インドネシア、マレーシアもこれに倣うよう期待する」と歓迎の意を表明、ＷＴＯのRenato Ruggiero理事長も「4月30日までに合意が達成されるだろう」との見通しを示した。シンガポール・テレコム・スポークスマンはまた「今回のＴＡＳの方針は決して予想外のことではなく、特別条款に基づく権能については上場目論見書の中で既に論じられている」と、平静な対応を見せている。(ST,BT,LZ:4/25)