SEAnews 1995-02-20 ArtNo.582

【クアラルンプル】総理府経済計画局(EPU)は16日、上場企業イークラン(Ekran)Bhd子会社のバクン・マネージメントSdn Bhdと、サラワク州における総コスト150億Ｍドルと見積もられるバクン水力発電事業の仮契約を結んだ。
イークラン社のティン・ペックキイン会長が17日明らかにしたところによると、これに伴いプロジェクトの入札予備審査を開始、来年1月以前の着工に間に合うよう5月までには入札書類を発行する。また電力供給交渉や金融面の準備も進められる。予想される収入がＭドルによるものであるため、プロジェクト資金の借り入れ分も全てＭドル建てとなる。バクン・ハイドロ・エレクトリック・コーポレーションの株主は現在のところ、イークランとサラワク州政府のみだが、巷間には電力会社トゥナガ・ナシオナルBhd(TNB)の参画も噂されている。しかしティン氏は資本構成は未定と語った。またイークラン社に残されたもう1つのハードル、環境アセスメント(EIA)に関して、ティン氏は「ＥＩＡは大した障害ではなく、またサラワク州の環境は何等ダメージを受けない」と語った。同記者会見に臨席したリム・ケンヤイク一次産業相は、政府は工事に支障を来さないよう環境アセスメントを数段階に分けて実施する方針で、第1のＥＩＡは4月に認可されるだろうと語った。また湖底に沈む6万9000ｈａの土地の伐採に伴う収益に関し、ティン氏は4億～5億Ｍドルの伐採コストを償うのに十分なものとのみ語り、具体的な収益見通しを明らかにするのを避けた。ちなみに同プロジェクトが完成する2002年時には1日800万Ｍドル、年間25億～30億Ｍドルの収益が見込まれている。(NST,MBT,NS,SJ,ST,BT:2/18)