SEAnews 1996-04-23 ArtNo.5793

【シンガポール】半導体流通会社Ｕｒｃａｃｏテクノロジーは向こう5年間に営業額を現在の7500万Ｓドルから650％増の4億米ドルにアップするとともに、域内に製造拠点を展開する計画だ。
Ｕｒａｃｏのこうした強気な見通しは、他の半導体流通業者にも共通しており、これらの企業は世界的な半導体ブームに乗って年率100％の営業額の伸びを享受している。Ｕｒａｃｏのラリー・リム重役(MD)によると、営業額の80％は半導体流通ビジネスで、電子部品製造と倉庫関連コンサルタント・サービスが残りを占めている。Ｕｒａｃｏにとって金の卵を生む鶏を最初に務めたのはモトローラーで、1988年に同社はモトローラーの流通代理権を手に入れた。今ではシンガポール、マレーシア、タイ、フィリピンにおけるモトローラーのディストリビューターを務めるとともに、シーメンスとハリス・コーポレーションとも同様の契約を結んでいる。現在マレーシア、タイ、米国、フィリピン、インドにセールス事務所を有し、向こう3年間にはニューデリー、ジャカルタ、バンガロール、ボンベイ、中国にも開設する計画だ。
しかし同社は流通から製造業務への重心移動を図っている。もし計画通りなら将来は流通業務は50％以下に縮小、製造業務のシェアが2倍の30％に拡大、倉庫コンサルタント・ビジネスが残りの20％を占めることになる。現在電子部品製造ビジネスの売上は1000万Ｓドルだが、5年間で1億2000万米ドルに拡大が図られる。マレーシア工場では月間60万～70万米ドルのコネクターを製造、また米国パートナーのRaltron Miamiとは100万米ドル相当のクリスタルを製造している。ジョホール・バルに200万Ｓドルを投じて建設した新工場が完成するのに伴い、今年末までにコネクターの生産量は2倍に拡大される。クリスタルの製造もシンガポール、マレーシア、台湾に新工場を設け、倍以上に拡大が図られるが、同計画の詳細は未定だ。6カ月前にはマレーシアの下請け業者を通じて電子バラスト(安定器)の製造を開始、これまでに10万ピースほど生産したが、インドネシア、マレーシア、フィリピンの新工場を通じて今年末までには月産5万～10万ピースを目指す。これら3国の工場ではコネクター、完成品の他、ＩＤユニットやディジプレックス等の通信関連製品も製造されると言う。(BT:4/22)