SEAnews 1996-04-16 ArtNo.5706

【シンガポール】シンガポール証取(SES)上場のマルコ・ポーロ・デベロプメンツは香港の親会社のために域内不動産事業の管理を引き受けることになった。
マルコ・ポーロのデービッド・ローレンス重役(ED)によるとウィーロック・グループ傘下のワーフ・ホールディングズは昨年マルコポーロの74.46％の権益をホンコン・リアルティー・アンド・トラスト・カンパニー、現社名ニュー・アジア・リアルティー・アンド・トラスト・カンパニーに売却した。これはウィーロック傘下の不動産事業の内、香港及び中国の事業はワーフに、東南アジアのそれはニュー・アジアに委ねる方針に基づくもの。一方、1985－91年の間不動産コンサルタント会社リチャード・エリス・シンガポールの重役(MD)を務めた後、1993年に香港ワーフ・グループに加わったローレンス氏(50)は、最近マルコ・ポーロのヘッドに就任した。同氏によれば、マルコ・ポーロはニュー・アジアを助け域内プロジェクトのマネージを引き受けるが、当面はシンガポール国内の不動産事業に専心する。同社は現状では域内事業を手掛ける財源を持たないが、幸いなことに、レーン・クロフォード・プレース、アドモア・パーク、マルコ・ポーロ・ホテルと言う優良資産を有し、これらのマネージにより数年後には潤沢な収益が見込める。来年はアドモア・パークの303室の既存コンドミニアムを取り壊し、330室の高級コンドミニアムに建て替える。同工事は2000年に完成する。603室のマルコ・ポーロ・ホテルもコンドミニアムに再開発することが検討されているが、未だ実行の可否、及び時期は決定されていない。これら2つのプロジェクトを実行すれば、かなりの収益が期待できるが、問題はこうした資金を利用して好収益の見込める拡張投資を行えるかと言う点にある。同社は政府の土地セールに入札することも検討しているが、現在の住宅不動産市場のリスク／収益レシオは決して魅力的とは言えないと言う。不動産アナリストは両プロジェクトが実行された場合、マルコ・ポーロの税引き前利益は最大17億Ｓドルに達すると見積もっている。
一方、域内事業の最初のターゲットとなるのはミャンマーで、同地は人口と天然資源に恵まれ、シンガポールの資金／ノーハウと相互補完関係を形成する。その上両地ではともに英国式不動産システムが採用されていると言う。(ST:4/15)