SEAnews 1996-04-08 ArtNo.5599

【シンガポール】国立シンガポール大学(NUS)の2万5000人の学生とスタッフは4月1日からパシフィック・インターネット(ﾊﾟｯｸﾈｯﾄ)に替えシングネットを通じてインターネットにアクセスを開始した。
ＮＵＳコンピューター・センターのシステム・マネージャー、ラビチャンドラン氏によると、政府経営のテクネットがスンバワン・メディアに買収され、民間企業パックネットに再編されたのに伴い、ＮＵＳは昨年末に非公開入札を実施した。これはＮＵＳの内規で1万Ｓドル以上の取引には入札が義務づけられているためで、シングネットも、パックネットも512ｋｂｐｓ(ｷﾛ･ﾋﾞｯﾄ･ﾊﾟｰ･ｾｺﾝﾄﾞ)の専用インターネット・ラインに1万Ｓドルの月間賃貸料を提示した。ＮＵＳマネージメントは結局シングネットを選択したが、パックネットのサービスが劣ると言う訳ではないと言う。
この点についてパックネットは、同社はＮＵＳをインターネット関連製品開発のパートナーと見なしており、他のインターネット・プロバイダーがＮＵＳの広帯域需要を支援することを歓迎すると語った。同社はこれまで1.5ｋｂｐｓのＴ1ラインと2ｋｂｐｓのＥ1ラインを一般ユーザーに提供するとともに、768ｍｂｐｓのラインをＮＵＳ専用としてきたが、今後は後者も全面的に一般の利用に供されると言う。
一方、シングネット・スポークスマンによると、同社は現在のＴＩとＥ1ラインに加え、来月Ｅ1ライン2本を増設する計画で、これによりキャパシティーは2倍以上に拡大されると言う。「ＮＵＳは全くの赤字顧客か」との質問に対して、同スポークスマンはＮＵＳへは市場価格に基づいて専用回線が提供されていると答えた。今日ＮＵＳのインターネット・ユーザーには国家科学技術局(NSTB)が補助金を支給しているが、同補助はテクネットが民営化された時点から3年内に段階的に廃止されることになっている。(ST:4/4)