SEAnews 1996-04-06 ArtNo.5582

【シンガポール】今年第1四半期の不動産投資販売は38億Ｓドルと、過去最高を記録した昨年通年の76億Ｓドルの半ばに達した。
同期の不動産投資販売の61％に相当する23億Ｓドルは政府が放出した開発用地18区画で、この内住宅開発用地が16億Ｓドルと、昨年通年の14億Ｓドルを上回った。不動産投資販売にはこの他、民間における開発用地の販売、複数住宅の一括販売、多層地権付きオフィス・ビルのフロアー単位もしくはブロック単位での販売が含まれ、自家用／自社用の単一ユニットの販売は含まれない。不動産投資販売は不動産市場の中期短期の動向を占う指標とされる。
不動産コンサルタント会社ジョーンズ・ラング・ウートン及びリチャード・エリスがそれぞれ発表した統計によれば、政府の国有地放出が同期統計数字のボリュームを拡大させたが、価格の上昇は民間部門によりリードされた。最も顕著な特徴は多層地権付きオフィス市場の拡大で、サンテク・シティー・タワー1のほぼ40万平方フィートが総額7億900万Ｓドルで取引された。これにプルデンシャル・タワー、ジョン・ハンコック・タワー、リッポ・センター、11ケッペル・ロードを加えると9億4300万Ｓドルとなり、昨年通年のオフィス不動産の投資販売総額の75％近くに達する。
第1四半期には住宅市場におけるブロック・セールも昨年通年の35％に相当する4億2100万Ｓドルが記録された。
個々の取引価格を見るとラッフルズ・プレースのプルデンシャル・タワー7フローアーの一括販売で1平方フィート当たり2200Ｓドルがマークされ、オフィス・ビル1棟の販売では同じ地区のリッポ・センターに平方フィート当たり2160Ｓドルの値が付いた。またタンジョン・パガルのオフィス・ビル、11ケッペル・ロードも同地区としては過去最高の平方フィート当たり1650Ｓドルが記録された。(ST:4/4)