SEAnews 1996-04-04 ArtNo.5566

【シンガポール】ＣＤ－ＲＯＭドライブの値下がりのボトム・ラインへの影響はそれほど大きくない。
アズテク・システムのマイケル・マン社長は2日、同社の低速ＣＤ－ＲＯＭドライブの在庫は極めて健全なレベルと強調した。同氏によると4倍速ドライブの在庫は2、3千台に過ぎず、6倍速のそれも健全な水準に有る。来月からは8倍速ドライブの量産を開始、同時に6倍速ドライブの製造は停止する。年末までには10倍速ドライブの製造に着手し、あるいは12倍速の生産も開始する。今後も値下がりの影響を受けないとは言わないが、大きな影響を受けるとは思わない。アズテクのＣＤ－ＲＯＭドライブ・ビジネスはクリエイティブのそれとは異なり、ＯＥＭ(相手先商標製造業者)市場向けに注文生産しているため、在庫レベルは低い。ＯＥＭ向けは今後マルチメディア製品の主流になる見通しで、アズテクの製品の80％は同市場に供給されていると言う。ちなみにクリエイティブは主に小売市場に製品を供給しているため、売れ残れば3カ月後には返品され、新製品と入れ替えられる。
マン氏によれば新製品の開発はマージンの維持と不良在庫に伴う損失を相殺するのに役立つ。このため同社は引き続き研究開発に力を入れるとともに、生産コストの引き下げに努める。同社は目下月間20万台のＣＤ－ＲＯＭドライブを製造しているが、小規模生産は市場の変化や技術の進歩に柔軟に対応でき、それなりのメリットが有ると言う。(BT:4/3)