1996-03-29 ArtNo.5495
◆<馬>中央銀行総裁、中長期安定成長の3大策略提起
【クアラルンプル】中央銀行のアハマド・ドン総裁は27日発表した同行年次報告書の中で、マレーシア経済の中期/長期的安定成長と物価の安定、そして経常収支の均衡を確保する3大策略として、1)“インプット指向の成長から生産性指向の成長への転換”、2)“労働集約から資本集約への投資戦略の転換”、3)“生産投資とインフラ投資の均衡”の諸点を提起した。
それによるとマレーシア経済の長期的な安定成長と経常収支の均衡を実現するためには、先ずこれまで主にインプットにより牽引されてきた成長を、生産性の向上を梃子にした成長に転換する必要がある。資源と人力の総合的な有効利用とハイテクの応用を促すことによりマレーシア経済の国際競争力も強化される。
第2は完全就業が実現された現在、マレーシアは量よりも質を重視した投資に転換する必要がある。これまでは成長と就業機会の創出が投資の主要な目的とされてきたが、今後は資本技術集約型、高い輸出志向、低い輸入需要、そして高度な産業連関を構築するような投資を促し、付加価値の高い製品の輸出を拡大する必要がある。こうした点から研究開発、デザイン、流通、マーケッティング等の領域への投資が促進される。
第3は未来の収益を約束する生産投資と未来の生産能力を強化するインフラ投資の適切なバランスを維持し、経済成長を加速せなばならない。十分なインフラ投資がなされなければ、ボトルネックが生じ、経済成長が阻害されるが、過度なインフラ投資は景気過熱を招く恐れがあると言う。(LZ:3/28)
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