1996-03-29 ArtNo.5493
◆<馬>今年は経済成長鈍化、経常赤字改善:中央銀行
【クアラルンプル】マレーシアの今年の国内総生産(GDP)成長率は昨年の9.5%から8.3%に鈍化、経常収支の赤字も178億Mドルから170億Mドルに下降する見通しだ。
中央銀行のアハマド・ドン総裁は27日に催された同行年次報告書発表会の席上、以上の見通しを明らかにした。それによると昨年の経常収支赤字は一昨年の109億9000万Mドルを大きく上回ったものの、大蔵省が予想した181億4000万Mドルを下回った。マレーシアの経常収支にとって昨年は最悪の年で今後は持続的な改善が見込める。こうした改善が予想される理由は貿易収支の黒字拡大が見込めるためだが、サービス収支の赤字は更に悪化するものと予想される。貿易収支の黒字は昨年の6億3000万Mドルから今年は36億Mドルに拡大が見込まれる。しかしサービス収支の赤字は昨年の188億Mドルから210億Mドルに拡大する見通しだ。サービス収支の赤字は構造的なもので、これまでに様々な対策が講じられたものの、いずれも中期、長期的な措置で、短期的効果は期待できないと言う。大蔵省は、これ以前に今年のGDP成長率を昨年の9.5%を1%ポイント下回る8.5%と予想したが、中央銀行が今回発表した予測値は更に控え目なものとなっている。ゼティ・アジズ中央銀行総裁補によると、GDP成長率の鈍化は昨年目覚ましい成長を遂げた農業及び鉱業部門の成長減速が予想されるためと言う。(NST,MBT,STAR,ST,BT,LZ:3/28)
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