1996-03-28 ArtNo.5482
◆<馬>企業、M$19億カザフスタン発電事業権益喪失も
【クアラルンプル】マレーシア企業ウサハ・サマ・ティムル・バラットSdn Bhdにより受注されたカザフスタンにおける4件、総額19億Mドルの発電事業が進捗を見ぬことから、カザフスタン政府はウサハ・サマとの契約の廃棄を検討しているもようだ。
ウサハ・サマは昨年8月クアラルンプルにおいてカザフスタン政府公益事業省傘下のAlmaty Energo社と60年間のBOOT(建設/所有/経営/引渡)契約に調印した。同契約の下300MW(メガワット)のMainak水力発電所、50MWのKerbulak水力発電所、320MWの風力発電所の建設、そして300MWの既存Kapchagay発電所のリハビリテーションが行われるはずだった。消息筋によると工事は昨年10月に着工されることになっていたが、未だに何等進捗を見ていない。カザフスタン政府がマレーシア企業にこの種のプロジェクトを発注したのは初めてのことだが、同国政府は訴訟を起こす考えはなく、当初入札した西欧企業に契約を改めて発注する可能性を検討しているもようだ。また複数のマレーシア企業も同プロジェクトに関心を表明していると言う。
会社登録局の記録では、ウサハ・サマはエンジニア、アブドル・ラシド・マイディン氏により1985年に払込資本5万Mドルで設立され、アブドル氏夫妻が取締役を務めているが、ほとんど活動しておらず、1995年3月に500万Mドルが新たに注入されている。1994年12月末締め年度の営業額は前年の1万800Mドルから2832Mドルに下降、税引き前に7万2481Mドル、累積8万7484Mドルの損失を計上している。(MBT:3/27)
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