SEAnews 1996-03-25 ArtNo.5428

【シンガポール】ジュロン・タウン公社(JTC)は製造業界の強い需要に応じるため、今年は昨年の21万5000平米を上回る28万7000平米の建て売り(賃貸)工場を供給する計画だ。
ＪＴＣが22日報告したところによれば、同社が提供するこの種の工場スペースは昨年末時点で300万平米以上に達した。昨年新規供給された21万5000平米の約95％は標準工場で、この種の工場需要は7.5％、またフラット工場需要は4.8％の伸びを見た。これらの工場は主に電子業界や機械製造業界のテナントに賃貸された。同2業種だけでＪＴＣの入居工場スペース全体の40～50％を占めている。ＪＴＣは今年も堅調な需要が予想されることから、標準工場83棟、フラット工場3棟、合計28万7000平米を追加供給する。昨年新規賃貸された標準工場15万9260平米は、一昨年を8％下回るが、これはスペースの効率的利用をはかるため各ユニットが小さめになったためで、ＪＴＣは、プロットレシオの引き上げ、高密度な開発を目指し、工場の設計に改善を加えている。一方、標準工場の契約解消件数が昨年46％下降したのは、民間部門におけるこの種の工場の供給が少なかったためと見られる。これに対してフラット工場の契約解消が13％増加したのは、民間部門における60年地権付き工業用不動産の出現で、ＪＴＣの賃貸フラット工場よりも独自の工場を持つことを希望するものが増えたためと予想される。
工業用地に対する需要は昨年3.1％の伸びを見たが、一昨年の6.2％の成長には及ばなかった。また昨年供給された160ｈａの工業用地の25％が倉庫用途に利用され、同業界の堅調な需要を裏付けた。工業用地の契約解消も61％増加したが、その多くはＪＴＣが再開発のために回収したものと言う。(ST,BT,LZ:3/23)