1996-03-23 ArtNo.5413
◆<星>各社、STマイクロポリス誕生でEDBの中立性に懸念
【シンガポール】Iddema(インターナショナル・ディスク・ドライブ・イクウィップメント・アンド・マテリアルズ・アソーシエーション)が主催した1996年アジア・コンピュータ・ストーリッジ・コンファレンスのマネージング・ディレクター円卓会議の席上、シンガポール・テクノロジーズ(ST)によるマイクロポリス社ディスク・ドライブ(HDD)業務の買収へのシンガポール政府の関わりに、少なからぬ出席者が懸念を表明した。
経済開発局(EDB)スポークスマンは、これに対して「STは商業的動機からマイクロポリスを買収したもので、EDBと協議は行っていない」とするとともに、「EDBに報告されたいかなる企業情報も他に漏洩されるようなことはない」と保証した。同スポークスマンによると、ST/マイクロポリスはEDBにとってHDD業界の1社にすぎず、他社から得た情報が同社に漏らされるようなことはないと言う。
出席者の一人、マクスターのJ.ステガー社長(アジア担当)は、EDBが競争相手になれば、企業計画等を協議することも困難になると懸念、タイ部品メーカー、KRプレシジョンのD.シュデル社長も、タイの政府機関の一つが競争相手になったとしたら、企業データを政府に伝えることもできなくなると発言した。このほか、ST/マイクロポリスのアグレッシブな求人活動にも懸念が表明され、シーゲートのR.ダウニング上級副社長は、既に数人引き抜かれたと不満を述べた。産業調査会社トレンドフォーカスのM.ギーネン重役(MD)によると、STはマイクロポリスを強力なプレーヤーに再建する資金も人材も備えており、ある日、手強い競争相手が登場する可能性も有ると言う。(BT:3/23)
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