1996-03-21 ArtNo.5385
◆<星>IPC、海外事業ロスで27%減益
【シンガポール】地場コンピューター会社IPCコープは海外事業の不振で1995年度に前年比27%減の5270万Sドルの純益を計上した。
IPCのパトリック・ギャム重役(CEO)が19日明らかにしたところによれば、オーストラリアと米国における不採算業務の切り捨てで、昨年度利益は4300万Sドル縮小した。内3200万Sドルは米国における小売ビジネスの損失に伴うものである。またDRAM(ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ)チップの在庫調整で120万Sドルが抹消されたが、DRAMチップの調達戦略に変更を加える考えはない。同戦略は概して良好な成果を収めており、同社は以前にも同様の抹消を行ったが、上場後はそれを公表せねばならなくなっただけと言う。
1995年12月末締め年度の営業額は15億4000万Sドルと、前年比13.5%の増加を見た。内アジア太平洋地域における売上が全体の47%の7億2100万Sドル、米国が4億4400万Sドル、欧州が3億3000万Sドルだった。1株益は7.23セントから5.27セントに下降、1株当たり資産は28.63セントから32.23セントに拡大した。
今年の見通しについては、不採算部門の切り捨てで米国業務は健全な成長が見込め、欧州では兵站/流通チャンネルの改善により収益の向上が予想される。同社が大々的に広告宣伝してきたマルチメディア・ホームPC“MY.G.NiE”についてギャム氏は昨年通年の売れ行きは予想を下回ったが、これは兵站上の問題によるもので、市場の期待に添えなかったためではないと語った。同社は当初3カ月間に8万セットの販売を目指したが、現在までに販売されたのは3万~3万5000セットにとどまっている。(ST,BT,LZ:3/20)
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