1996-03-20 ArtNo.5371
◆<星>S.テクノロジーズ、HDD事業で戦略パートナー物色
【シンガポール】最近マイクロポリスのディスク・ドライブ(HDD)ビジネスを買収したシンガポール・テクノロジーズは他のHDDメーカーとの戦略提携を計画しているようだ。
消息筋によれば、同計画は今月末にマイクロポリスの買収が完了後具体化される。しかしながら業界観測筋は、シンガポール・テクノロジーズは財政難に陥ったマイクロポリスに新生命を吹き込むことができるかも知れないが、シーゲートやクアンタムと肩を並べるまでにマイクロポリスを建て直し得るかは疑問としている。某アナリストはシンガポール・テクノロジーズが単独でそうした奇跡を実現できるとは思えないが、他のビッグ・プレーヤーと手を組むなら、あるいは可能と評している。この種の提携には特許権の交換、技術合弁、新インダストリアル・スタンダードの開発等が考えられる。しかし主要なHDDメーカーらはシンガポール・テクノロジーズとこの種の協議を行ったか否かについてコメントを控えている。シーゲート・テクノロジーズのジョーアル・ステッド副社長はこの点に関して、シーゲートは他社と特許権の交換を行っており、シンガポール・テクノロジーとも同様なアレンジが可能だが、実際にそうした協議を行ったかどうかはコメントできないとしている。観測筋はシンガポール・テクノロジーの提携相手はウェスタン・デジタルの可能性が高いと指摘する。同社はノートブックPC用として現在主流の2.5インチHDDに代え、3インチHDDを製造することで米国JTSと合意に達している。しかし、先のステッド副社長は、「この業界で成功するには少なくとも10億米ドルの資金を注入する必要があり、1億や2億では役に立たない。シンガポール・テクノロジーズにその覚悟はあるだろうか」と反問した。(ST:3/19)
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