1995-02-16 ArtNo.536
◆<馬>政府、二酸化チタンに15%輸入税、石原産業に打撃
【シンガポール】マレーシア政府は塗料、紙、プラスチック、インク等の製造に使用される無機化学色素二酸化チタンに昨年末以来15%の輸入税を課しているが、シンガポールの唯一の二酸化チタン製造会社石原産業はシンガポール政府に救援を要請した。
マレーシア政府は昨年12月22日付けの公報において二酸化チタンの輸入税を0%から15%に、一酸化チタンのそれを2%から15%に、それぞれ即日引き上げると発表した。同措置は大蔵大臣が昨年12月1日に1967年関税法に基づき発令したもので、1994年関税(修正)12号令と名付けられている。新関税措置が発効して以来、石原産業が出荷した製品の多くがシンガポールに送り返されている。石原産業シンガポールによると、同社は年間4万2000トンの二酸化チタンを製造、内2500トンをマレーシアに輸出してきたが、今回の措置に伴う損失は500万米ドルと見積もられる。マレーシアは成長の潜在性の大きい市場だけに打撃を大きく、同社は昨年以来シンガポール当局に支援を求めていると言う。しかしシンガポール貿易開発局は、マレーシア側から新関税に関してまだ正式の通知を受け取っていないとしている。トゥロック・カロンに2億7400万米ドルを投じ年産5万トンの二酸化チタン製造工場を建設したティオクサイド・マレーシアは93年にマレーシア政府に関税保護を求めた。マレーシアの輸入業者によると同国の年間需要は2万トンに達するが、新工場は依然として国内需要を満たせない状況に有ると言う。(ST:2/15)
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