SEAnews 1996-03-18 ArtNo.5342

【クアラルンプル】プルリス州のアブドル・ハミド・パワンテ前首席大臣に率いられるブミプトラ・グループに最近支配権益が握られた鋼管製造会社アマルガメーテッド・インダストリアル・スチールBhd(AISB)はプルリス州における650ＭＷ(ﾒｶﾞﾜｯﾄ)の独立電力供給業者(IPP)ライセンスを有するテクノロジー・トゥナガ・プルリスSdn Bhd(TTP)の60％権益を現金1億5700万Ｍドルで買収する。
コマース・インターナショナル・マーチャント・バンカーズBhdがクアラルンプル証取(KLSE)に報告したところによれば、ＡＩＳＢはPrisma Meridian Sdn Bhd(ｼﾞｮｰｾﾞﾌ･ﾓｰ･ｱｸｲｹ/ﾌｨﾙﾓﾝ･ｱｸﾆｭｲﾝ両氏の所有会社)からＴＴＰの50％権益を、Infostas Engineering Sdn Bhd(ﾔﾔｻﾝ･ｲｽﾗﾑ･ﾌﾟﾙﾘｽ子会社)から同10％権益を、それぞれ買収する。ガス燃料を利用した複合サイクル発電所の建設コストは10億Ｍドルと見積もられるが、内28.5％の2億8500万Ｍドルが自己資本で賄われるため、その60％の権益の価格は1億7100万Ｍドルと見積もられる。ＡＩＳＢは買収費用を株主割当により調達する計画で、これにより同社の払込資本は額面50Ｍセントの1億257万8000株から1億6412万5000株に拡大する。ＡＩＳＢは目下マレーシアの電力会社トゥナガ・ナシオナルBhd(TNB)及びタイ電力局(EGAT)に対する電力供給交渉を進めるとともに、国営石油会社ペトロナスと燃料ガスの購入交渉を進めている。これらの交渉は今年半ばまでに妥結する見通しだ。またＴＴＰの権益買収手続きは今年12月までに完了する。ＡＩＳＢのＴＴＰに対する1億5700万Ｍドルの投資の向こう21年間の平均年間収益率は15.8％と見込まれる。ＡＩＳＢのチア・ライスン重役(MD)によると、発電所の建設は来年着工され、98年に完工、99年初から操業が開始される。ＡＩＳＢのアブドル・ハミド・パワンテ会長によると、今回の投資は5年で回収できる。今後同社は、電力事業、鉄鋼事業、インフラ／不動産／民営化事業を3本の柱とする計画で、値段さえ適当ならランドマークスBhdが所有するＴＴＰの残りの40％権益も買収する方針と言う。(NST,MBT,STAR,ST:3/16)