1996-03-15 ArtNo.5308
◆<馬>ウエハー・ファブ誘致戦略に見直し、奨励措置縮小も
【クアラルンプル】マレーシアは野心的なウエハー・ファブ誘致戦略を公表したものの、企業側の要求にたじろぎ同戦略に見直しを加えているようだ。
消息筋によれば、31億Mドルのウエハー製造事業を計画する日立製作所及びラッキー・ゴールドスターとの交渉を進める政府代表は2社が提示した条件を如何に処理すべきか思案している。両社の主要な要求は年利4.5%、総額6億Mドルのソフト・ローンの提供と10年間の免税優待付きパイオニア・ステータスで、同問題は数週間前に閣議で討議されたが、政府はプロジェクトそのものに見直しを加える方針を決めたと言う。マレーシア政府はこの種の優遇措置を過大と見、スケール・ダウンする必要があると感じているようだ。投資誘致に積極的に取り組んできたラフィダ通産相は報告書を提出するよう求められたが、その内容は日立/ラッキーの合弁事業に対するものと言うよりは、将来の同様なプロジェクトに対する奨励措置のパッケージに関するものと言う。ラフィダ通産相は、去る12日マスコミに対して政府は目下ウエハー製造事業にソフト・ローンを提供すべきか検討していると語ったが、日立/ラッキーのプロジェクトには言及しなかった。同相はブリタ・ハリアンに対して「複数の企業がウエハー事業投資に関心を表明しているが、問題はこれらの者が要求する通り、ソフト・ローンを提供すべきか否かで有る」と語っている。同相は来月代表団を率いて米国を訪れ、シリコン・バリー企業にマレーシア投資を説得する予定だ。(BT:3/14)
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