1996-03-08 ArtNo.5228
◆<泰>プラナー、陸橋計画新港開発地の選択の誤り指摘
【バンコク】南部タイの陸橋計画に新たな疑問が提起された。タイ政府のプラナーらは陸橋両端に開発される深水港の立地条件に疑問を呈し、その見直しを求めている。
それによると、主要な問題はルートよりも港湾の位置で、両港はいずれも南部の観光名勝や漁場に隣接しており、これらが石油汚染の被害を受ける恐れがあると言う。全国経済社会開発局(NESDB)幹部はまた2000億バーツ(S$112億)の同プロジェクトが資金の排水溝になる恐れがあると警鐘している。これらの批判者によれば、同プロジェクトはタイが最優先する東海岸開発計画とオーバーラップしており、こうした多額の支出のメリットを実証する必要があると言う。1980年代半ばにプレム政権により提起された陸橋計画はタイ南部を地盤とする民主党のチュアン前政権の誕生に伴い日の目を見、チュアン首相は昨年4月に第1期工事着手を指示した。しかしタイ南部に支持基盤を有せぬチャトタイのバンハーン首相は一旦は同プロジェクトの凍結を指示した。バンハーン首相は、最近になってプロジェクトを実行する考えを確認したが、NESDBのスメット局長は「NESDBは陸橋計画に総合的な見直しを加える方針を既に決定しており、見直しには6カ月を要する」としている。同局長によると、こうした決定は政治とは無関係で、「自分としては誰が政権を握っても同じことをするだろう」と語った。(BT:3/7)
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