1996-03-07 ArtNo.5202
◆<星>MRT東北路線、新たな不動産開発ブーム招来
【シンガポール】早期建設が決まった地下鉄(MRT)東北路線は21世紀に向けて新たな不動産開発と建設ブームをシンガポールに招来する見通しだ。
不動産業界の観測筋によれば、政府により収用される64haの土地と16の地下鉄駅、そしてこれらに隣接した多数の区画が総合的再開発の用地として提供される見通しだ。
セナット・エステートに吸収される予定の289万平方フィートのBidadari共同墓地はMRT東北路線第2期工事により再開発されるが、エドモンド・ティエ&Coのオン・チュンファ重役(ED)によると、アパー・アルジュニド・ロードの反対側の共同墓地も同時に再開発されるなら、セナット・イステートからバッテリー・ロードに連なる630万平方フィートの再開発が可能になり、コンドミニアム25棟と500万平方フィートの商業スペースが創出され得る。価格については例えばヤングバーグ・ホスピタルに隣接したコンドミニアム、エイボン・パークのユニット価格は現在平方フィート当たり700Sドルだ。
この他の主要な再開発用地としては、旧レックス・シネマ周辺、ドービー・ゴート駅に近いマウント・ソフィア一帯の複数の区画、ワールド・トレード・センター周辺地区等が上げられる。またオブザーバーらは都市再開発局(URA)の開発ガイド・プラン(DGP)には、MRT東北路線の開発は想定されていないことから、URAは同プランにも見直しを加えるものと見られる。例えばワールド・トレード・センター周辺の収用予定地は宅地と港湾に区分されているが、これらは商業開発地に転換できる。
政府はまたその収用した土地の開発とセールの潜在性を最大限に利用するものと見られ、10億~15億Sドルのキャピタル・ゲインが得られそうだ。こうした収入は50億Sドルと見積もられるMRT東北路線の建設費の一部に充当されるものと見られる。(BT:3/6)
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