SEAnews 1995-02-15 ArtNo.520

【シンガポール】シンガポールの銀行界は昨年も純益の2桁成長を達成したものと見られる。
銀行界は来月以降続々94年度業績を発表する見通しだが、証券業界のアナリストらは93年度の40～50％の増益には及ばないものの、依然として好調な業績が実現されたものと予想している。昨年の今頃これらのアナリストは証券市況の活況に支えられた93年の好業績が94年にも再現することはないと予想していた。当時は、この他、金利マージンの縮小、住宅ローン・ビジネスの萎縮等も指摘されたが、昨年のローン業務及び証券業務の収益は維持されたようだ。昨年の証券市場の出来高は一昨年を僅かに3％下回っただけで、銀行貸付の伸びは13％から16％に加速した。銀行金利は125～150ベイシスポイント上昇、多くの銀行が純貸出しを記録した反面、銀行界の資金調達コストは定期預金金利に固定されていた。また住宅購入ブームは最近になって初めてかげりを見せたに過ぎない。地元銀行はマレーシア支店の現地法人化に伴う有る種のコスト負担を強いられたが、マレーシア業務の収益レベルは維持できたものと見られる。とは言え複数の銀行が株主割り当てを行ったことから、一部の銀行の1株益は縮小する可能性があると言う。(ST:2/14)