SEAnews 1995-02-15 ArtNo.518

【シンガポール】シンガポールの石油精製業界は中国が石油製品輸入規制を緩和したとの報道を歓迎するとともに、市況の回復に期待している。
中国当局は原油及び石油製品の流入を抑制する狙いから昨年3月に石油製品輸入を規制する措置を採用した。同措置は中国国内の精製施設を最大限に活用する意味も含まれていたが、内陸の製油プラントには輸送上のネックが有り、そのことが今回の見直しにつながったと言う。石油商社筋によれば、中国の輸入拡大により軽油等の値上がりが予想され、製油マージンも改善する見通しだ。過去6カ月当地の精製マージンは1バレル0.5ドルのレベルに低迷してきたが、1～1.5ドルの水準が回復されるものと期待されている。しかし他のトレーダー筋は中国は今後も引き続き原油輸入を重視する見通しで、直ちに石油製品需要が増加するとは期待できないと語った。中東や北欧産の安価な軽油が容易に手に入ることも安値の原因と指摘する者も有る。また他のオイル・メジャー筋はもし中国が実際に輸入政策を転換するなら液化石油ガス(LPG)の需要が拡大すると予想する。中国の今年のＬＰＧ需要は昨年の120万トンから150万～180万トンに拡大する見通しと言う。(ST,BT:2/14)