SEAnews 1996-03-04 ArtNo.5156

【シンガポール】ハード・ディスク・ドライブ(HDD)の価格は供給逼迫の緩和に伴い6月までに下降に転じる見通しだが、値下がりは小幅にとどまりそうだ。
クアンタム・アジア・パシフィックのフランシス・ユー社長によると、過去6カ月価格は安定していたが、向こう数カ月間に値下がりが予想される。しかし値下がり幅は最大5％程度に収まる見通しと言う。シーゲートのジュル・ステッド副社長もこうした見方を肯定、12月に値下げを行った同社は、近く再調整を行うが、「ＨＤＤ業界は通常四半期ごとに調整を行っており、供給過剰の前兆などではない」と語った。昨年はウィンドウズ95の登場等で伝統的に活況を呈する12月以前から需要が急増、供給不足が生じた。このためＨＤＤメーカーはその価格を維持できただけでなく、値上げするものも出た。しかし今年4月以降には供給逼迫が解消するため、市況の軟化が生じるものと予想される。しかしクレジット・リヨネ証券のアナリストは伝統的にアグレッシブな価格戦略を採用してきたコナーがシーゲートに買収され、プレーヤー自体も減少したことから、価格競争がこれまでのように過熱することはないと予想する。
ＨＤＤメーカーらはより記憶容量の大きい新製品を続々発表しており、クアンタムは5.5インチ・ドライブや世界最高速を誇る7200ｒｐｍディスク・ドライブを含む3製品を市場に投入する。ウィンドウズ95が紹介される以前の平均記憶容量は540ＭＢ(ﾒｶﾞﾊﾞｲﾄ)だったが、昨年末には850ＭＢにアップ、向こう数カ月間には1ＧＢ(ｷﾞｶﾞﾊﾞｲﾄ)以上が普通になる見通しだ。(ST:3/2)