SEAnews 1996-03-04 ArtNo.5155

【シンガポール】金融管理局(MAS)の最近の信用規制でコマーシャル・クレジット・カード・ビジネスの激減が予想されている。
業界筋によれば、最近の給料2カ月分のクレジット上限規制は8億Ｓドルと見積もられるシンガポールのコーポレート・カード市場を半減させる見通しで、先月スタートしたばかりのプロキュアマント・カードの成長も望み薄となった。ＭＡＳスポークスマンによれば、カード・ホールダーの2カ月分の信用上限はサプリメント・カードやコーポレート・カードによる支出も含まれ、如何なるタイプのコーポレート・カードか、その支出が会社のためのものか、カード・ホールダー個人のためのものかを問わない。
こうした中でカード発行会社はＭＡＳに外国における支出に対する規制適応免除を陳情している模様だ。しかしコーポレート・カードに対する規制が全面的に解除されない限り、同ビジネスの前途は暗澹としたものにならざるを得ない。
ＵＯＢと組んで他社に先駆け国防省スタッフを対象としたプロキュアマント・カード“Ｖｉｓａパーチャシング”の発行を開始した当地コーポレート・カード・ビジネスＮｏ2(約S$2億)のＶｉｓａインターナショナル幹部によれば、同じ銀行から発行されたクレジット・カードとビジネス・カードを所持する顧客は2カ月分の信用枠を全て個人用に使用し、ビジネス・カードはキャンセルするものと見られる。プロキュアマント・カード・ビジネスが10億Ｓドルに達するものと期待していた同社は目下、この種のカードがコスト・セービング・ツールであることをＭＡＳに納得させるべく説得を図っている模様だ。
これに対して当地最大の5億Ｓドルにのぼるコーポレート・カード・ビジネスを手掛けるアメリカン・エクスプレス・インターナショナルは目下ＭＡＳに新規制の様々な側面に関する説明を求めていると言う。マスターカードのコーポレート・カード・ビジネスは最も規模が小さく、信用規制に伴う影響も小さいものと見られる。(BT:3/2)