1996-02-28 ArtNo.5096
◆<星>昨年第4四半期の経済成長率9.1%
【シンガポール】シンガポールの昨年第4四半期の国内総生産(GDP)成長率は9.1%を記録、この結果通年の成長率は8.9%となった。
通産省が26日発表した年間経済統計(AES)によれば、第4四半期には製造業が最大の11.8%の成長を見、建設業の11.2%がこれに続いたが、金融/ビジネス・サービスの成長率は7.9%と、第2四半期の10.4%をピークに鈍化し続けている。この結果各部門の通年の成長率は製造業10.3%(94年12.9%/93年10.0%)、建設業8.5%(16.5%/8.1%)、商業9.0%(9.2%/8.1%)、運輸通信業11.2%(11.0%/10.9%)、金融/ビジネス・サービス業8.3%(8.3%/12.5%)、その他6.7%(6.9%/7.7%)となった。製造業の単位ビジネス・コスト(UBC)は93年と94年にはそれぞれ1.1%と0.7%の下降を見たが、昨年は再び3.4%の上昇に転じた。これはUBCの3要素の労働/サービス/政府料金がそろってアップしたためだが、昨年は製造業の生産性が6.8%の成長を見たにも関わらず、単位労働コスト(ULC)は0.9%上昇した。シンガポールのULCは、他のアジアNIEs(新興工業国)に比べ競争力を弱めたが、こうした傾向はSドル高によって助長された。しかし米国の最近の金利引き下げでシンガポール株式市場に外国投資家が復帰、製造業に対する投資約定額も前年を10億Sドル上回る68億Sドルを記録する等、明るさも見られた。
欧米経済の成長鈍化見通しや国内コストの上昇から今年の経済成長率は7-8%に鈍化するものと予想されている。同予測値はリム・ヘンキアン国家開発相が先週語った7-7.5%の成長見通しを多少上回っている。(ST,BT,LZ:2/27)
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