1996-02-27 ArtNo.5085
◆<星>リー上級相、米ドル軟化の不利益に警鐘
【香港】シンガポールのリー・クアンユー上級相は、「米ドルの持続的軟化は米国のアジアにおけるプレゼンスに影響を及ぼす」と警鐘した。
香港の英字紙サンデー・モーニング・ポストのインタビューに応じたリー氏によれば、大部分の東亜諸国民は米国がアジアにとどまることを欲しており、中国と日本の二者択一を迫られるような状況は望んでいない。中国と日本自体もアジアにおける米国のプレゼンスが両国間の良好な関係を促進することを認めている。しかし安全の代価は安くなく、米国が引き続き反映し、しかも弾性に富んだ経済が維持される必要がある。米ドルが軟化し続ければ、米国は東亜の繁栄を維持する上で、日本や欧州以上の代価を支払わねばならなくなる。東亜の繁栄が日本や他のアジア諸国そして欧州にのみ恩恵を及ぼすなら、米国国会は米国がアジアにおける役割を維持するための予算を否決する恐れがあると言う。
またリー氏はチベットや台湾の独立を容認するような動きを、中国は宣戦の口実にするだろうと指摘した。同氏によれば、この種の中国の警告は単なる威嚇と見なすことはできない。中国はあるいは米国との関係決裂は回避するかも知れないが、いずれにしても双方が支払う代価は計り知れない。米中対決が回避されることに超したことはなく、米中両国もアジアの繁栄から恩恵を享受できるはずと言う。リー氏はまた、10年以内に第4世代の指導者が台頭し、中国が国際舞台において全く異なる姿勢を採る可能性も有ると示唆した。(ST,BT,LZ:2/26)
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