1996-02-22 ArtNo.5027
◆<馬>首相、国営鉄鋼会社の返済不能説否定
【クアラルンプル】マハティール首相は先週、国営鉄鋼会社プルワジャ・トゥレンガヌSdn Bhdが返済不能に陥り、緊急救済措置を必要としているとのエーシアン・ウォール・ストリート・ジャーナル(AWSJ)の報道を否定した。
プルワジャが57億Mドルの債務の一部返済猶予を必要としているとのAWSJの報道で、Mドルの対米ドル相場は先週、木曜の2.5415-25Mドルから金曜の2.5480-90Mドルに下降した。マハティール首相は16日、AWSJの報道に関して「我々は彼らよりうまく自身の問題を処理できる。言いたいことは何でも言ったらいい。しかし彼らはプルワジャについて何も理解していない」とコメントした。AWSJはプルワジャの内部報告書を引用し、同社は少なくとも4億Mドルのキャッシュ注入を直ちに必要としているとしている。また関係報告書はプルワジャ前経営陣の乱脈経営振りも指摘しているが、消息筋は同報道は決して新しいものではなく、最近国会で野党から同様の追及を受けたアンワル副首相兼蔵相はプライス・ウォーターハウス & Coにプルワジャの外部監査を依頼したと指摘する。監査報告書は近く発表される見通しだ。AWSJはプルワジャの財政危機は同社に22億Mドルの債権を有するマレーシアの銀行界にも衝撃を及ぼすものと予想、国営銀行バンク・ブミプトラ・マレーシアBhdの債権だけで8億6000万Mドルにのぼるとしている。またプルワジャは主に日系銀行から35億Mドルの海外借款を取り入れている。しかし最大の海外債権者の1行日本興業銀行(M$18.05億)筋は今のところプルワジャの元利支払いは滞っていないとしている。AWSJはプルワジャの財政危機はマハティール首相の過去14年の執政期間における最大のスキャンダルとしている。首相は1988年に信任するエリック・チア氏をプルワジャのマネージング・ディレクターに任命したが、同氏の野心的な拡張計画が今日の財政危機の主因とされる。チア氏は昨年8月に同ポストを退いた。(ST,BT,LZ:2/17)
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