1996-02-09 ArtNo.4919
◆<星>パッカード・ベルのZenith買収の影響は未知数
【シンガポール】米国ホーム・コンピューター・メーカーのパッカード・ベルは7日、米国拠点のサーバー・メーカー、ジーナス(Zenith)データ・システムズの買収計画を発表したが、アナリストらは当地PC(パソコン)市場への影響は当面大きくないものと見ている。
ジーナスはフランスのコンピューター・メーカー、グループ・ブルの完全子会社でシンガポールのIPCコープと51:49の出資率でジーナス・データシステムズ・アジア・パシフィックを設立、アジア市場向けPCやノートブックPCの製造計画を進めていた。パッカード・ベルのリム・フアットセン社長(アジア太平洋地域担当)は向こう数カ月同社にはやるべきことが山積みされており、IPCとジーナスの関係を今予想するのは困難と語っている。業界筋もアジア市場を本拠とするIPCにとって、米国を拠点とするパッカード・ベルとジーナスの合体は当面大きな影響はないと評している。
一方、今回の買収計画に伴いNECとブルは合計6億5000万米ドルを新たにパッカード・ベルに注入、各19.9%のシェアを維持する。ブルはジーナスの持ち株を同出資に当て、NECは2億8000万米ドルを新たに注入する。両社は昨年8月に各3億米ドルをパッカード・ベルに注入していた。このためパッカード・ベルの財務状況は顕著に改善する見通しで、30%の売上をパッカード・ベルに依存する地元のマルチメディア・メーカー、アズテク・システムズにとっては好感し得る事態の進展と言う。(ST,BT:2/8)
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