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1996-01-30 ArtNo.4789
◆<馬>イスラム金融がメガ事業の主要な資金調達源に
【クアラルンプル】Abrarグループ・インターナショナルはこれまでの通念を打破し、イスラム・ファイナンスをメガ・プロジェクトの主要な資金調達源に変身させる先鋒を務めている。
青年実業家ワン・ムハマド・ハスニ・ワン・スライマン社長兼最高経営者(CEO:31歳)に率いられるファンド・マネージメント・グループは目下鉄道事業のために40億Mドルのイスラミック・ノート発行のリード・マネージャーを引受ける最終交渉を進めている。先週水曜にはクアラルンプル・インターナショナル・エアポートBhdがバンク・イスラム・マレーシアに率いられる地元銀行コンソーシアムと22億Mドルのイスラミック・ノート私募契約に調印した。また電力会社トゥナガ・ナシオナルBhdは目下イスラム・ボンドによる10億Mドルの調達を真剣に検討している。
1990年に米国でアブラルを創設したワン・ハスニ社長によれば、こうした動きはイスラム方式の金融商品がマレーシアにおける大型プロジェクトの資金調達手段として認知されつつあることを示している。アブラルはプロジェクト・ファイナンシングや投資に際して“Al Mudharabah”と称するイスラムの教義に基づく利益分与方式を採用している。例えば投資資金を用立てる際には、資金の増殖に関わらずフラット金利を課する一般の銀行とは異なり、同社は先ず顧客と投資のターゲットを設定し、リスクと利益をシェアする。アブラルはその12億Mドルの投資ファンドをクアラルンプル証取(KLSE)を含むアジア太平洋地域の証券市場やニューヨーク市場で運用しているが、その際もイスラムの教義を厳格に遵守し、醸造会社株等への投資は控えている。
証券業界筋によると、イスラムの教義に基づいたアブラルの資金運用は地元ばかりでなく中東方面の機関投資家にも歓迎されている。またアブラルのイスラミック・ファイナンシングはノール・モハメッド・ヤコプ元マレーシア中央銀行顧問を初めとする経験豊富なスタッフにより手掛けられていると言う。(BT:1/29)
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