1996-01-30 ArtNo.4787
◆<星>Sドル高持続、年末にはUS$1=S$1.38台に
【シンガポール】ディーラー筋やエコノミストは近隣諸国からの持続的な資金の流入でSドル・レートが今年を通じて上昇し続けるものと予想している。
マレーシアの10月の貿易統計の発表の遅れに伴う不安も手伝って先週末には大量のMドルが売られ、Sドルに乗り換える投資家の動きも生じた。このためSドルの対米ドル・レートは1.4165に達し、マレーシア中央銀行やシンガポール金融管理局(MAS)の市場介入を招いた。一部のディーラーは中国の台湾侵攻に対する懸念も影響したものと予想している。メキシコ・ペソ暴落の波紋で、Sドルの対米レートは昨年8月に過去最高の1.39を記録したが、今年末までに1.38~1.40のレベルまでSドルが値上がりするとの点で市場筋やエコノミストの見方は一致している。しかし短期的見通しについてはコンセンサスは見られない。MMSインターナショナルのアナリストはMASは年内の1~2%の値上がりは許容するだろうが、1.35レベルに達すれば、市場に介入すると予想する。クロスビー証券のエコノミストはまた経済成長の鈍化と輸出競争力に対する当局の懸念がSドルの急上昇に歯止めをかけるものと予想した。しかし1.38レベルなら貿易比重の上からは0.5%の上昇に過ぎないと言う。(BT:1/29)
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