1996-01-29 ArtNo.4772
◆<星>昨年12月の国産非石油製品輸出の伸び鈍化
【シンガポール】昨年12月の国産非石油製品輸出は一昨年同月比10.7%拡大したものの、11月の22.1%に比べ顕著に鈍化した。
貿易開発局(TDB)が26日発表したところによれば、石油輸出は0.3%下降したが、11月のマイナス1.6%に比べ下げ足は小幅となっている。再輸出の伸びも6.4%と11月の14%の2分の1以下にとどまり、この結果輸出全体の伸びも10月の13.5%、11月の16.7%から8%に減速した。輸入の伸びも10月の16.8%から13.0%に鈍化している。
電子製品やコンピューター関連製品に牽引され、米国、欧州連合(EU)、日本向け輸出は堅調な成長を維持したが、マレーシアと香港向け輸出は引き続き縮小(-6.1%/-3.9%)した。日本向け輸出は33.2%の成長を見たものの、やはり11月の55.5%の伸びに及ばず、米国/EUについても同様な傾向が見られた。 昨年通年の総輸出は13.7、総輸入は12.7%、それぞれ拡大したが、1994年の各23.3%、13.7%の成長には及ばない。5大輸出先の中ではやはりマレーシアと香港向け輸出が軟調を示した。TDBは、これにはシンガポールからマレーシアへの一部の製造活動の移転や香港の景気不振が反映されているとしている。
アナリストらは貿易成長の鈍化は過去2年の急成長に伴う経済の歪みを是正するゆとりを与えるものとして歓迎している。TDBは今年の通年の貿易成長率が主要貿易相手国の経済成長の鈍化等で、昨年の13.2%から9~11%に減速すると予想している。(ST,BT,LZ:1/27)
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