SEAnews 1996-01-24 ArtNo.4710

【シンガポール】石油業況が低迷する中で、シンガポール最大の製油会社シェルの昨年の収益は顕著に下降した。
シェル・シンガポールの社内紙ブリタ・シェル1月号に掲載された年頭の辞の中でピーター・チェン会長が明らかにしたところによると、製油施設の稼働率は90％以上に維持されたものの、1995年初3四半期の製油マージンは30～50％下降した。これには韓国、マレーシア、インドネシアの新製油施設の稼働、中国の輸入規制、Ｓドル高等が影響した。96年の製品供給も引き続き拡大する見通しで、韓国とタイだっけ見ても新たに9億バレルの精製能力が追加される。事故や争議で一部の製油所の供給に障害が生じ、また北欧を襲った寒気に伴う需要増も手伝って昨年末以来、需給バランスが改善しているが、こうした状況は長続きせず、製油マージンは今年も縮小圧力を受けるものと予想される。しかしながら昨年の化学製品に対する需要は良好で、利益も改善、石油取引も一昨年を上回った。国内販売部門は過去最高の業績を記録、売上も利益も目標を超過達成したと言う。(LZ:1/23)