SEAnews 1996-01-24 ArtNo.4706

【シンガポール】ストレーツ・スチームシップ・ランド(SSL)はビジネス・ハブ、ラッフルズ・プレースに隣接したチャイナ・スクウェアーに、既存の優良オフィス・スペースの市価に匹敵、もしくはそれを上回る平方フィート当たり2300Ｓドルを投じて30階建てオフィス・ビルを建設することになりそうだ。
ラッフルズ・プレースのオフィス・ビルはこれまでその品位を維持する上からフロアー単位にしろ、大型ブロックにしろ売却せぬのが、ビル・オーナーらの不文律とされてきたが、ケッペル・グループ傘下の不動産会社ＳＳＬは22日、優良顧客には一部のスペースをフロアー単位で売却する方針を明らかにした。昨年8月、ＳＳＬはピッカリング・ストリートとチャーチ・ストリートによりラッフルズ・プレースから分離されたチャイナ・スクウェアーのＥ区画(11万9500平方ﾌｨｰﾄ)とＤ区画(2万1511平方ﾌｨｰﾄ)にそれぞれ2番札を1億1200万Ｓドルと6700万Ｓドル上回る3億9210万Ｓドルと3億2910万Ｓドルの1番札を入れ、市場筋を驚かせた。
ＳＳＬのケビン・ウォン重役(ED)はこの日催された都市再開発局(URA)との当該購入契約調印式後記者会見し、Ｅ区画には純賃貸スペース37万5000平方フィートの15階建てオフィス・ビルを、Ｄ区画には同24万平方フィートの30階建てオフィス・ビルを開発すると発表した。したがって賃貸スペース1平方フィート当たりの土地買収コストは、Ｅ区画の場合1046Ｓドル、Ｄ区画のそれは1371Ｓドルとなる。これに優良ビルの平均建設コスト平方フィート当たり400Ｓドル、ＧＳＴ(E/D合計S$2120万)、法律手続き料、印紙税、専門サービス料、マーケッティング・コスト、不動産税等を加えると平方フィート当たりの総コストはＥ区画の場合1900～2000Ｓドルに達する。またＤ区画については向かいのザ・エクスチェーンジにリンクするトンネルの建設が義務づけられており、ＳＳＬは同工事に1000万Ｓドルを投じることを約束している。従ってこちらの単位コストは2300万Ｓドルに達する。しかし不動産業界筋によればグレードＡの永久所有権付きオフィス・ビルの平方フィート当たり市価は2150～2200Ｓドルに過ぎないと言う。(BT,ST,LZ:1/23)