【イスラマバード】火種を抱えた二国間関係の修復を目指し東の隣国パキスタンを訪問したアフガニスタンのアブドラ・アブドラ国家和解高等評議会議長は、和平プロセスの初歩的進展を見た後、イスラマバードを後にした。
アブドラ議長は、これまで米国とアフガニスタン軍に対するタリバンの19年間に及ぶ戦闘を支援した国としてパキスタンを厳しく糾弾して来たが、今回の訪問では、『両国は、和解プロセスの重要な段階における二国間関係のリセットを助けることを望んでいる』言った際立った柔軟な姿勢を示した。
アブドラ議長は9月30日の帰国に先立って催された記者会見の席上、「我々は午後には、良好な気分と[…]を、つまり両国と当地域のより良い未来に向けて共に協力すると言う抱負抱いてイスラマバードを起ち、カブールに戻ります。私は、平和への取り組みに対するパキスタン政府の支援と、二国間関係の観点から最近取られた措置に感謝します。」と挨拶した。
前日にアブドラ議長と会見したパキスタンのイムラン・カーン首相も共感の意を表し、「アフガニスタンのアブドラ・アブドラ国民和解高等評議会議長と会談する機会に恵まれ、『過去はそこから学ぶことができる貴重な教師ではあるが、そこに住むことはできない』と言うテーマについて非常に興味深い会話を楽しんだ。我々は未来指向でなければならない」とツイートした。
アブドラ議長の訪問期間中に、パキスタン当局はアフガニスタン国民に対するビザ規制を緩和し、アフガニスタンの長年の要求である歩行者のための国境検問所を開いたままにする日数を増やした。
○ドーハ交渉
カタールの首都ドーハでは、戦闘当事者間の暴力削減と可能な新権力分掌協定の締結を目指して、アフガニスタン政府とタリバンの交渉が3週間前にスタートした。
アフガニスタンの交渉担当者が初めて直接交渉の座についたものの、暴力が衰える兆しは見られない。地元メディアによると、9月23日にはアフガニスタン南東部ヘルマンド州における自爆テロで少なくとも9人が死亡した。
和解プロセス主要調停者を務める米国のザルメイ・ハリルザド和平特使が9月23日ドーハ入りしたことから、タリバンの交渉担当者は、非当事者の交渉への関与に警告を発した。タリバンのスポークスマン、ムハンマド・ナイーム氏は、「20日乃至1カ月以内にすべての問題を解決することを期待しているとすれば、目標を達成できないだろう」と語った。
○幻想的な停戦
停戦を実現する上から、長年パキスタン領内に兵站と勢力基盤を維持して来たタリバンに対してパキスタンに影響力行使させることこそ、アブドラ議長の今回の訪問の中心課題であった。
パキスタンの公式の立場は、常にアフガニスタンのタリバンに対して『限定的影響力』を保持するに過ぎないというもの。アナリストによると、パキスタン当局は停戦実現要求に対して常に慎重な態度を維持している。
セキュリティ・アナリストでシニア・ジャーナリストのザヒド・フセイン氏は、完全停戦が成立する可能性は低いと述べている。フセイン氏は、「タリバンはまだ停戦を望んでおらず、パキスタンが停戦を受け入れさせることができるとは思わない。なぜなら、それ(タリバン)は交渉のレバレッジだからだ。タリバンが戦闘員を戦線から引き上げさせれば、レバレッジは失われる。パキスタンができることには限界がある」と指摘した。[以下省略]アサドハシム(Asad Hashim)は、パキスタンにおけるアルジャジーラのデジタル特派員。出典:アルジャジーラ
【ニュースソース】
Abdullah made fragile gains for Afghan peace during Pakistan trip
○世界は一つ: