【ニューデリー/ムンバイ】インドの外国為替準備は、2020年6月5日までの1週間に初めて5000億米ドルの大台を突破した。2020年6月5日までの1週間に82億米ドル急増したが、3月のロックダウン発表以来、318億米ドルの激増を見たことに注意する必要がある。
外国為替準備増加の主な理由は、インドの株式や外国直接投資(FDI)に対する外国ポートフォリオ投資の増加だ。インド準備銀行(RBI:Reserve Bank of India)が発表したデータによると、3月のFDI流入額は40億米ドルに達し、4月のそれは21億米ドルだった。今会計年度後半に経済の回復を期待する外国ポートフォリオ投資家は、3月に債券/株式市場からそれぞれ6000億ルピーを引き上げた後、再びインド市場に戻り、6月の第1週には27億5000万米ドルの株を買い増した。
一方、原油価格の下落で、石油の輸入代金が減少、貴重な外貨が節約された。同様に、海外送金と海外旅行も急減、4月には前月の128億億7000万ドルから61%減少した。ちなみに過去9ヶ月間に見られた準備金の急増は、9月20日に法人税率を引き下げるというニルマラ・シタラマン財務相の発表から始まり、それ以来、外貨準備は730億米ドル増加した。
RBIデータによると、外貨準備の64%は、財務証券のような証券として外国、主に米国に保管されており、28%は外国の中央銀行に預けられ、海外の商業銀行にも7.4%が預けられている。
一つ問題なのは、準備金に対する変動フロー(ポートフォリオフローおよび短期債務)の比率が約80%と、高いこと。この種の資金は流出するのも極めて速い。