【イスラマバード】パキスタンの政治と政治家は、壊れやすく、波乱に満ちた同国『民主主義』のランドスケープの中で、一貫してかなり敵対的な性格を保っている。実際、パキスタンの常軌を逸した民主主義の歴史のどの時点においても、国内の主要政党はいずれも敵対的な政治への頑固な執着を示して来た。おそらく、これは各党の指導者がパキスタンで採り得る主流政治の唯一の形態なのだろう。
コヴィッド19の衝撃がもたらしたものは、パキスタン政界指導者に合意形成の能力が欠如していることを歴然とさせたことに他ならない。戦時体制におけるように、緊急事態に直面した国は内部対立を克服し、すべての資源を敵に集中せねばならない。これは、非常時における政治の鉄則だが、イスラマバードの政界中枢はこの一点さえ守ることができない。
第一に、パキスタン人民党(PPP:Pakistan Peoples Party)とパキスタン・ムスリム連盟ナワーズ派(PML-N:Pakistan Muslim League - Nawaz)は野党と見なされるべきではない。パキスタンの場合、大多数の国民やシンド州とパンジャブ州の自治政府さらにはPML-Nは、ロックダウン(都市封鎖)を支持している。現在、ロックダウンに反対しているのは、現政権与党のパキスタン正義運動党(PTI:Pakistan Tehreek-i-Insaf)に他ならない。最近、イムラン・カーンの事務所と同党の名士らが政治的団結に関する彼の呼びかけを伝えて来たが、それは、結局のところ、ローマ市民がそうしたように、政治的熱狂を追う貧しい一例に過ぎない。首相の最近の姿勢は、概して、彼のポピュラーなイメージに沿ったもので、情け容赦ない、断じて屈しない態度を鮮明にしたものだが、コビッド19の脅威に晒されたパキスタンにおいては、受け入れがたいものだ。コンセンサス政治にとって、コミュニケーションと柔軟性は不可欠である。
筆者ファティマ・ラライブ女史は、ラホール経営科学大学(LUMS)政治学科栄誉学士最終年度の学生。
【ニュースソース】
Pakistan can’t afford a political crisis during a pandemic
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