1996-01-20 ArtNo.4663
◆<星>アップル・アンモーキオ工場に再編の恩恵も:アナリスト
【シンガポール】アップル・コンピューターは、昨年12月29日締め第1四半期に6900万米ドルの損失を計上、1300人の整理計画を発表したが、香港を拠点とするアップル・アジアのドナルド・チュン取締役(マーケッティング/サービス担当)は18日、アジア・オペレーションは再編の影響を受けないと語った。
しかしチュン氏は、現状ではアジア業務の人員整理は指示されていないが、向こう12カ月間にわたって実行される人員整理が、アジア業務に波及しないと断言することはできないと補足した。同氏によると、アップルのアジア業務は良好で、売上額も販売ユニット数も27%の伸びを見た。シンガポールではその実セールス、マーケッティング・スタッフを募集していると言う。アップルのマイケル・スピンドラー社長兼最高経営担当重役(CEO)は、マッキントッシュ・オペレーティング・システムのライセンスの発行拡大やビジネス提携の拡張を通じてPC(パソコン)販売を促し、またマルチメディアやインターネット領域の新ビジネスの開拓を積極化する方針を明らかにした。同社は昨年少数の小規模コンピューター製造業者にマッキントッシュ・スタンダードのPC製造ライセンスを発行したが、アナリストはマイクロソフト/インテル・プラットフォームの市場支配に挑戦するには、より大規模なメーカーをマッキントッシュPCの製造に引き入れる必要が有ると指摘する。また、こうした動きはデスクトップ、ラップトップ・コンピューターからモニター、マザー・ボードまで、全領域にわたるアップル製品の製造を手掛けるシンガポール工場の業務の拡大につながると言う。またアップルの支援業務を手掛ける某企業の幹部は、「アップルのような大企業が一夜にして沈没することはなく、支援業界は長期ベースの契約を結んでいる。これらにはいくつかの先端製品の開発が含まれ、この種の業務はたとえオーナーシップが替わっても継続されるはず」としている。(ST,BT,LZ:1/19)
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