【カトマンズ】中国の習近平国家主席が2日間の日程でカトマンズを公式訪問した10月12日土曜日、弊紙カトマンズ・ポストの姉妹紙カンティプールを含むネパールの三紙が、習主席の手になる一文を揃って掲載した。その中でこの中国の指導者は「中国はネパールとの間に戦略的パートナーシップを結ぶことを望む」と述べている。
習主席が日曜日に訪問を終了した後に発表された共同コミュニケは、「両国が『平和共存5原則』、『国連憲章』および『善隣友好の原則』に基づいて、ネパールと中国の間の永続的友情を特徴とする協力の包括的パートナーシップを『戦略的パートナーシップ』に高める方針を決めた」と明確に述べている。
ネパールと中国の共同コミュニケが『戦略的パートナーシップ』という言葉を用いたのはこれが初めてのことで、専門家や外交政策ウォッチャーらは、ネパールにとってそれが具体的に何を意味するのか、また同フレーズには果たして安全保障や軍事的意味合いが含まれるのか否か測りかねている。
政府当局者は、この戦略的パートナーシップが正確に何を意味するかについてコメントを控えたが、習主席訪問中に中国との間で結ばれたいくつかの協定には、『安全』と『軍事』双方の要素が含まれている。
『南アジア政策研究センター(South Asia Centre for Policy Studies)』の元事務局長スリダール・カトリ氏は「ネパールは中国と『刑事共助条約(mutual legal assistance treaty)』を結んでおり、同条約には何らかの安全問題が含まれる」と指摘する。
ネパール陸軍のビノジ・バスニャット前司令官は「習近平国家主席の2日間の訪問は、ネパールと中国の関係を洗練した。それは機会に満ちているが、地政学的な挑戦も含んでいる」と語った。バスニャット氏によると、地政学的トレンドは、経済的なメリットだけでなく、戦略地政学的安全保障の複雑さをもたらす。
しかし、外交政策アナリストのカトリ氏は、この『戦略的パートナーシップ』と言う字句にとらわれすぎないように警告した。カトリ氏は「枝葉に眼を奪われず、木全体を見るべきだ。宴会で行われた2つのスピーチと共同声明のテキストから結論を引き出すことはできない。我々は習主席の訪問中に議論されたこと全てを知っている訳ではない」と指摘した。
【ニュースソース】
Nepal and China elevate bilateral ties to a ‘strategic partnership’ but no one’s certain what that entails
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