【マレ】スリランカのラニル・ウィクラマシンハ首相は昨日、モルディブで開催されたインド洋会議(IOC:Indian Ocean Conference)で、「インド洋は一方で『インドと中国』、他方で『アメリカと中国』が縄張りを争うグローバル地政学の舞台と化している」と語った。
「経済的不確実性の高まりは、世界的緊張の高まりや世界経済力学の構造変化そして新興勢力の台頭と相俟って、中東から東アジアを越えて拡散する緊張状態をリードする米国と中国に象徴される非対称の双極世界(asymetrical bipolar world)を形成した。こうした政治的および経済的発展は、インド洋における三極競争と言う今時の最も深刻な課題を我々に突きつけた。インド洋諸国はインド洋地域主義を段階的に促進せねばならない。スリランカはこの地域の軍事的対立に反対し、同地域の平和と安定を継続して支持する。スリランカが国連海洋法会議で重要な役割を果たしたのは正にこのためだ。スリランカは、インド洋における自由航行のルールを支持する。インドとの間で貿易協定の拡張交渉が進められている。我々は、タイおよび他のASEAN諸国と新たな協定交渉を行うことで合意した。また、中国とは新貿易協定、インダとは拡大貿易協定についての交渉が進行中だ。」
火曜(9月3日)の夜、モルディブのパラダイス・アイランド・リゾートで催された、2019年第4回インド洋会議で挨拶したウィクラマシンハ首相は、出席者に「イースターの日曜日にスリランカで起きた悲惨な出来事は所謂『暴力的非国家主体(VNSA:Violent non-state actor)』による絶え間ない脅威の差し迫った警報に他ならない」と語った。ウィクラマシンハ首相によると、イースターの爆弾テロはアイシル(ISIS)の戦略転換を表している。つまり2016年のバングラデシュ、2017年のエジプト、そして2018年のインドネシアの爆弾事件は、宗教加盟店が襲撃に際してISISに対する忠誠を主張するテロリズムのフランチャイズ化を示している。首相は「スリランカは、国際法を遵守し、民主的権利を尊重する国内の強固なテロ対策の法的枠組みが、世界的なテロの脅威に対処する上で不可欠と考える」と語った。
この会議は、インド財団(India Foundation)がモルディブ外事協会(Foreign Service Institute of Maldives)及びシンガポールのS.ラジャラトナム国際問題研究学院(RSIS:S. Rajaratnam School of International Studies in Singapore)と共催した。
○スリランカとモルディブの提携は世界的なテロ撲滅に寄与
【マレ】モルディブとスリランカは9月4日、モルディブのイブラヒム・モハメド・ソリ大統領とスリランカのラニル・ウィクラマシンハ首相が、国の内外で日増しに増大するテロリズム、暴力的過激主義そして急進主義の脅威に対抗する多国間の努力において二国間および地域的協力の重要性に関して意見の一致を見たとの共同声明を発表した。ウィクラマシンハ首相は、モルディブへの公式訪問を終えて昨日(9月4日)帰国した。
共同声明によると、両首脳はまた、組織犯罪、海賊行為、麻薬、人身売買によってもたらされる脅威に対処することで同意した。
両首脳は、両国間の既存の二国間協力と人的交流をさらに強化する方法について協議した。両者は、両国間の既存の協力プログラムに検討を加え、『モルディブ・スリランカ合同委員会』の枠組みの中で二国間関係を継続することで合意した。共同声明は「第4回合同委員会会議は、今年後半にスリランカで開催される」と付言している。
【ニュースソース】
Sri Lanka opposes military rivalry in Indian Ocean region - PM
‘SL-Maldives ties would ensure a world free of terrorism’
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