【ニューデリー】インド人民党(BJP)は、第七回国会下院選挙において自らの牙城のインド北部に加え、西ベンガル州とオリッサ州でも大躍進し、同党だけで300議席以上を確保、ナレンドラ・モディ首相は、二期目の航海に乗り出した。
BJPは、ウッタルプラデシュ州とビハール州の野党共闘に楔を打ち込み、50議席前後を確保した国民会議派(INC:Indian National Congress)率いる野党連立政権が二期目を迎えるのを不可能にした。今回の敗北は、野党勢力の隊列に、取り分け国民会議派に大混乱を引き起こす可能性がある。
BJPと連立を組む諸党も、シヴ・セーナー(Shiv Sena)は18議席、ジャナタ・ダル統一派(Janata Dal United)は16議席、人民の力(Lok Jan Shakthi Party)は6議席、シロマニ・アカリ・ダル(SAD:Shiromani Akali Dal)は2議席と、いずれも健闘、結局、全国民主連盟(NDA:National Democratic Alliance)の獲得議席は、驚異的な345議席をマーク、有権者は、安定とモディ氏のような明確な目標を掲げる強力なリーダーを支持することを証明した。モディ首相は、「インドに感謝する!我々の連立政権に対する信頼は謙虚なものだが、国民の大望を実現するために我々が一層努力する力を与えてくれた」とツイートした。
とは言え、国民会議派主導の統一民主戦線(UDF:United Democratic Front)は,ケララ州において左派政党を犠牲にして20議席中19議席を席巻する目覚ましい成果を達成、ドラビダ進歩同盟(DMK:Dravida Munetra Kazhagham)に率いられる野党聯合も、タミールナド州の39議席中、ポンディシェリの1議席を含む37議席を奪取し、全インド・アンナ・ドラビダ進歩同盟(AIADMK:All India Anna Dravid Munetra Kadgam)とBJPの共闘を打倒した。
北部諸州ではカースト政治力学の定石が最早通用しなくなった。専ら北部に照準を合わせたこれまでの戦略を放棄することにより、カルナタカ州で、2014年に比べ8議席を上積み、28議席中合計25議席を獲得したBJPは、東北諸州でも快進撃を見せた。
テロ組織ジャイシュ・エ・ムハンマド(JeM:Jaish-e-Mohammed)のバラコット・キャンプに対する空爆は総選挙に先立ってBJPの一大看板にされた。バラコット・プランクを掲げた情け容赦ないキャンペーンと野党連合を不純物の一大野合の標本と繰り返し罵倒するモディ首相の戦術は、ウッタルプラデシュ州では僅かに10議席を落としたものの、その他のほぼ全ての州、ラジャスタン州、グジャラート州、マドヤプラデシュ州、ハリヤナ州、ヒマチャルプラデシュ州、ウタラーカンド州では奏功した。
対照的にデモナタイゼーション(demonetisation:旧紙幣廃止)、商品サービス税(GST:goods and services tax)の導入、仏戦闘機ラファレ購入疑惑等の問題を掲げて政府を追い詰めようとした野党の努力は、選挙民には何の印象も与えず、彼等ははモディ首相の続投を全面的に支持した。
○2019年下院選挙結果は、宗教的分裂深刻化の現れ
【ニューデリー】2019年総選挙の票決と全国民主同盟(NDA)の圧勝は、インド社会の宗教的分断の深まりの表れと言っても過言ではない。
インド人民党(BJP)はヒマチャルプラデシュ州、ハリヤナ州、デリーで圧勝したが、ジャム&カシミール州では分裂が顕在化し、パンジャブ州では国民会議派が一息ついた。
デリー市民は大衆党(AAP:Aam Aadmi Party)政権に満足しているにも関わらず、BJPが圧勝。BJPは56%の得票率で、AAPの18%と国民会議派(INC:Indian National Congress)の22.5%を凌駕、デリーの7選挙区でBJPはAAPとINCの合計得票率を上回り、全ての選挙区でINCはBJPに大差をつけられ2位に甘んじた。
【ニュースソース】
India gives Modi a high five
Post-poll survey: the 2019 verdict is a manifestation of the deepening religious divide in India
Post-poll survey: a mixed bag for BJP in Jammu and Kashmir and Punjab
Post-poll survey | Horses for courses: choices differ for Assembly, Lok Sabha in Delhi
○世界は一つ:
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