1996-01-19 ArtNo.4650
◆<馬>通産省、日本ハイテク部品企業を買収の標的に
【クアラルンプル】マレーシア通産省は急増する経常収支赤字の元凶と目される対日貿易赤字を縮小するため日本のハイテク・パーツ企業を丸ごと買収、輸入部品への依存の根を断つ計画だ。
ラフィダ通産相が17日語ったところによると、マレーシア工業開発局(MIDA)は以上の使命を負うて大阪に地域調達オフィスを開設する。MIDA大阪事務所は日本から輸入されるチャイルド・パーツを洗い出すとともに、マレーシアへの製造拠点移転に適した買収対象を物色する。チャイルド・パーツとは比較的大きいコンポーネントの基礎部品で、様々な業種を対象とすることができるが、当面は輸入チャイルド・パーツへの依存が最も大きい自動車産業から手を付け、その後他の電子部門等にも拡大する。 マハティール首相は先週催されたセミナーの席上、「仮に対日貿易収支が改善すれば、貿易赤字問題も解決する。日本が高度成長を遂げていた時代には、マレーシアの対日貿易はおおむね均衡していたが、今では赤字が拡大し続けている」と指摘した。
MIDAは今月末にエンジニアを大阪に派遣、3月には大阪事務所の業務を全面的に開始する。また国産車製造元のプロトンも大阪事務所を設け、MIDAと協力体制をとると言う。(MBT:1/18)
|