【ムンバイ】(ヘイト・スピーチ)合唱隊の罵詈讒謗やウェブ上の脅迫は、ベテラン俳優ナシーラディン・シャー氏を動揺させることはなかったが、同氏はザ・ヒンドゥー紙のEメールによる独占インタビューに対して「自分に対する『裏切り者を撃ち殺せ』の合唱を聞くのは決して気持ちの好いものではない」と語った。
「愛国を掲げた悪意あるジンゴイズム(Jingoism:過激なナショナリズム)は驚愕するレベルに達しており、どこもかしこも『whataboutery(そっちこそどうなんだ/だったらなんだ)』が乱舞している。『かつての支配者がしたように、我々がやってどこが悪い』、 『オーストラリアの土着民が虐待されたようにやつらを酷使してどこがわるい』等々。」
シャー氏はこれ以前にインタビューを受けた際、集団暴力やリンチ事件に加え、子供達の将来や幸せに対する懸念を表明したが、同インタビューの内容を巡り激しい非難に晒され、傷つけられて来た。「毒はもう蔓延してしまった。この悪霊を捕まえボトルに戻すのは非常に難しい。牛一匹の死が一人の警官の死よりも重視される事例があちこちで目にされる。自分の子供たちが心配だ。彼らは宗教を持っていないから…明日暴徒が彼らを取り囲み、『お前たちはヒンズー教徒か、イスラム教徒か』と聞いても彼らは答えられないだろう。状況がすぐに改善するとは思えず、心配だ。しかしこうした情況が私を恐れさせることはなく、むしろ怒らせている…」と彼は語った。
金曜には『アジュメール文学祭(ALF:Ajmer Literature Festival)』の開幕式が予定されていたが、インド人民党青年部(BJYM:Bharatiya Janata Yuva Morcha)抗議を受け、取りやめになった。『Naseer Ki Nazar(ナシールの目)』というシャー氏が担当するセッションも中止された。
彼は同紙に「自分の言動に対するリアクションに驚かないし、こうした事態に挫折も感じていない。嘆かわしいことだが、それ以上に憤慨している。穏健なインド人にとって沈黙を守ることはもはや選択肢ではないようだ」と語った。シャー氏は、「誰の差し金かは推測する他ないが、誰にしろこれら有象無象の指嗾者は、このインタビューの中で自分が述べた『穏健なインド人にとって沈黙を守ることはもはや選択肢ではない』ことを自ら証明したことに気づいていない」と指摘した。
○寛容はインドのDNA、恐れることはない:中央政府閣僚
【ニューデリー】ボリウッド俳優ナシーラディン・シャー氏は、ラジャスタン州アジュメールにおける三日間の『アジュメール文学祭(ALF:Ajmer Literature Festival)』の第五エディションで基調演説をする予定だったが、インド人民党青年部(BJYM:Bharatiya Janata Yuva Morcha)抗議を受け、取りやめになった。
同フェスティバルの進行係ラス・ビハリ・ガウル氏によると、シャー氏は開幕式を主宰する予定だったが、一部の地元民の反対に遇い、会場に現れなかった。彼はオープニング・セションで新書を発表するはずだったが、それも取りやめられたと言う。
一部のものは、同事件が国民会議派州政府の下で起こったことを指摘したが、ラジャスタン州のアショク・ジェロット首席大臣は土曜の夜、『今回の事件は不幸なできごと』とツイートした。「アジュメール文学祭の主催者が、抗議のニュースが伝えられる中、ナシーラディン・シャー氏に開幕式への出席を辞退するようアドバイスしたのは極めて残念なことだ。州政府は祭りを平和的に開催されるよう万全の準備を整えて来た。州政府はすべての市民の権利と自由を尊重する。」
シャー氏の発言に対して、中央政府のムクタール・アッバース・ナクヴィー少数部族問題相は土曜、「寛容はインドのDNAであり、ベテラン俳優の子供達は何も恐れることはない」と語った。「彼の感情は正しいかもしれないが、『モグラの巣も丘のうち(a mountain was made out of a molehill:針小棒大)』と言うから、彼の言葉はおそらく誤解されている。寛容と調和は我が国のDNAだ。今日の情況にもかかわらず、誰もこの強固な遺産を破壊することに成功していない」と、同相はムンバイでPTI通信に語った。
【ニュースソース】
Jingoism has reached scary proportions: Naseeruddin Shah
As Pakistan wades into row, Naseeruddin Shah says take care of own country
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