【ニューデリー】先ず以てカルタープール・コリドーの出現と国境を跨いだ招待状は、インドとパキスタン両国の対話が断絶し、接点がほとんどない現状の下、極めてユニークなものと言えるが、過去に対話プロセスに関与したかつての政府筋がヒンドゥー紙に語ったところによると、回廊構想はバジパイ首相が1999年にラホールを訪問した際に始めて提起、そしてシーク・コミュニティーからも定期的に提言されて来た。しかしパキスタンが同計画に同意したのは今回初めてのことである。
インドのパキスタン駐在高等弁務官を務めたTCAラーガヴァン氏は、「インドとパキスタンの関係は急速に変化しており、予想されない問題の変化もあり得る」と語った。
パキスタン担当特使やパキスタン駐在高等弁務官の経験を有し、過去数年バックチャネルを務めて来たサティンダー・ランバ氏は「有意義で、重要な動きだ。過去にカルタープールに関する提案がパキスタン人からなされたと言う記憶はなく、今回初めてのこと。この構想が、パキスタン陸軍司令官カマー・ジェイブド・バジャ将軍によって初めて公にされたことも重要だが、この事実は、彼とナビョット・シン・シドゥ氏の抱擁を巡る喧噪の中で忘れ去られた観がある」と指摘した。
インドにおけるシンドゥ氏の抱擁を巡る論争は、この提案が行き詰まったことを示すものと見られていたが、実際には、パキスタン政府は計画を遂行し、自国側に約4キロにわたって道路を再建する工事を進めていた。
元警護職員や官員および外交官筋によると、インドからの巡礼者がパキスタンのカリスタン(シーク教徒)分離主義グループの洗脳を受ける差し迫った恐れもあることから、この他の懸案事項としては、コリドー両サイドの安全確保や密入国の監視が挙げられる。パキスタンのパンジャブ州カルタープール県グルドワラ・ダルバール・サーヒブは、インドのパンジャブ州デラ・ババ・ナナクから4.5キロに位置している。
インドの情報機関『研究分析ウィング(R&AW:Research and Analysis Wing)』元主任ヴィクラム・スード氏は「こうした事実は疑いなく政府により考慮される。疑念を生じさせるのは、コリドー計画の突然の発表とタイミングだ。何故ならそれはインド政府の立場に相反している。巡礼者のための『信仰コリドー』と言う発想自体常識を逸脱している。何故なら国境を跨ぐ人々の回廊は通常、難民危機や反テロ作戦に用いられる。カルタープール回廊は、パキスタンが占領しているカシミールのシャルダ・ピースのような新たな先例を作ることになる。シャルダ・ピースでは、『シャルダ救済委員会(Save Sharda committee)』がカシミール・パンディッツ(カシミール・ヒンドゥー教徒コミュニティー)巡礼者のために停戦ライン(LoC:Line of Control)を跨ぐバス・ルートの開設を求めている」と語る。
一方、カルタープール回廊計画に歓迎の意を表するパキスタンのヒンドゥー教徒国会議員ラメシュ・クマール・ヴァンクワニ氏は、ザ・ヒンドゥー紙に、「インドとパキスタン両国政府が『信仰回廊(faith corridors)』コンセプトを、インドのダルガー(回教聖人墳墓ゆかりの寺院)やモスク、そしてパキスタンのバロチスタン州ヒンガラ寺(ヒンドゥー教巡礼地)やカイバル・パクトゥンクワ州アナンドプール寺を含む他の宗教施設にも適応するよう望む」と語った。
【ニュースソース】
Kartarpur marks a fresh start
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