【ニューデリー】インド人民党(BJP:Bharatiya Janata Party)伝統的に政権を掌握して来たマドヤプラデシュ州、チャッティースガル州、ラジャスタン州の選挙の行方は、12月11日に明らかになる。世論調査の結果からすると、BJPはラジャスタン州の政権を失うことになりそうだ。
選挙の投票は11月12日から12月7日にかけてチャッティースガル州、マドヤプラデシュ州、ミゾラム州、テレンガナ州、ラジャスタン州の5州で行われる。これらの州の開票は12月11日に行われる予定だ。
若者の失業、農民の不満、反カースト・アイデンティティ政治の高まりを背景に、広範な地域で現政権批判が高まっており、インド国民会議派(INC:Indian National Congress)のキャンペーンが、内紛説が報じられているにも関わらず、ラジャスタン州ではより好感をもって迎えられているようだ。
マドヤプラデシュ州の情況は現職首席大臣の長期政権、道路、電力供給、社会福祉計画の改善に助けられ、BJPにとってより明るく見える。
チャッティースガル州では、INCが多少他党をリードしているようだが、世論調査の結果は、何れの党が先頭を切っているのか明瞭でない。
テランガナ州はテランガナ国家党(TRS:Telangana Rashtra Samiti)の強力な地盤で、同党は抜き打ち選挙の恩恵を受けそうだ。
ミゾラムは東北の小さな州。INCは東北諸州の中では唯一同州で過半数議席を占めている。
インドの有権者は、伝統的に州選挙と全国選挙の投票パターンに一貫性がないことで知られている。一般に、州政権を掌握している党の国会議員候補は、総選挙が州政権の任期の早い時期に行われる場合、地元の反現職気運が高まる遅い時期に行われる場合に比べ、より大きな比較優位を享受できる。
マドヤプラデシュ州/チャッティースガル州/ラジャスタン州は合わせて国会議席の約12%を占める。マドヤプラデシュ州とチャッティースガル州の有権者はこれまで一貫して大差でBJP国会議員候補に投票して来た。BJPは今回の州議会選挙でラジャスタン州を失ったとしても、総選挙では同州における支持を期待できるかもしれない。しかし、2014年に享受したような大勝利は、おそらく期待できない。
小さな州に属する41国会議席のうち25議席は東北諸州に属しており、東北8州の内7州はBJPが政権を握っている。マドヤプラデシュ州/ラジャスタン州/チャッティースガル州は大きな農村人口を抱えており、農村部の選挙成績は、農村の窮状が選挙民の間でどの程度問題になっているかを示す指標になる。
州議会選挙動向に関する世論調査の結果は、BJPがマドヤプラデシュ州政権は維持するものの、ラジャスタン州では敗退し、チャッティースガル州では接戦を演じることを暗示しており、全体としては乱戦になりそうだ。一見したところ、BJPの国会65議席(国会下院総数543議席)の見通しは、州議会選挙の結果にかかわらず、これらの3州中2州でBJPが勝利することを示唆している。同時に、州議会選挙は、国民の気分を、またBJPが低い農業所得と広範な農村の窮状に絡む選挙課題からどれだけ隔離され得るかを反映するものと見られる。(ファイナンシャル・エクスプレスに転載された≪野村『インド:政治-冬がやって来る』≫の抜粋の抜粋)
【ニュースソース】
Assembly election opinion polls: Congress looks set to wrest Rajasthan from BJP, neck in neck fight in MP, Chhattisgarh
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