【北京】インドと米国が執拗に中国の海軍基地が設けられる事に対する懸念を表明する中、パキスタンの海軍少将は10月26日、グワダルに中国の資金で建設中の深水港に中国が軍事的アクセスを求めたことはないと語った。
パキスタン南東部バロチスタン州のグワダルは、パキスタンにおける中国の600億米ドル一帯一路投資プロジェクトの王冠の宝石と称されている。
シンガポールのシャングリラ・ホテルにおける年次安全保障会議シャングリラ・フォーラムの向こうを張って北京西郊香山において中国スタイルで開かれる香山論壇(Xiangshan Forum)の席上、パキスタン海軍司令官(Navy Secretary)を務めるジャベイド・イクバル少将は、「グワダルは域内の海事景観に追加された重要港だが、純粋に商業目的で、軍事的意味合いはないことを強く申し上げたい。グワダルは、制限された湾内の潜在的危険水域にちょうどよく位置し、中国と中央アジアの中継港としてだけでなく、地域全体の繁栄に影響を及ぼす輸送拠点としても機能する潜在性を有する。パキスタンの海軍は、港湾の安全と、海事安全保障を確保するためプレゼンスを維持する。グワダルが外国の軍基地として使用されていると言う、一部のメディアに依然として報じられている地政学的な論説は完全に誤っている」と語った。中国が具体的に軍事的アクセスを求めたか否かに関して、同氏は「全くない」と答えた。
中国は、昨年、アフリカの角(つの)と称されるジブチに、初の海外軍事基地を設けたが、公式には物流施設とされている。
インド洋の北西端に位置するジブチは、パキスタン、バングラデシュ、ミャンマー、スリランカを含む真珠の首飾りと称される中国の軍事同盟および軍事資産の新たな拠点にされるのではないかと言うインドの懸念を高めた。
中国は、目覚ましい軍の近代化計画を進める一方、世界各地に軍事基地を展開する計画に着手するのではないかという懸念を繰り返しはぐらかしている。
○ナワズ・シャリフ元首相派、補欠選挙で挽回
【イスラマバード】首相の地位を追われたナワズ・シャリフ氏率いるパキスタン・ムスリム連盟ナワーズ派(PML-N:Pakistan Muslim League - Nawaz)は10月15日に結果が明らかになった補欠選挙で、イムラン・カーン首相率いるパキスタン正義運動党(PTI:Pakistan Tehreek-i-Insaf)の支持層を切り崩し、改選された国会11議席中4議席を獲得、退勢を多少挽回した。
今回の補欠選挙は7月25日の総選挙に際して2議席以上を獲得した候補者が余分の議席を放棄したことに伴って行われた。例えば、カーン首相は5議席を獲得、このため4議席が再度投票に付された。
PTIは、カーン首相が放棄した4議席中2議席を失った。彼のパンジャブ州ラホールの議席は、PML-Nのシャヒッド・カカーン・アバシ前首相に、またカイバル・パクトゥンクワ州バンヌの議席は統一行動評議会(MMA:Muttahida Majlis-e Amal)のザヒド・アクラム・ドゥラーラニ候補に、それぞれ奪われた。
補欠選挙結果は、中央や地方の政権に影響を与えることはないが、野党を活気づかせそうだ。国会下院11議席と州議会24議席の選挙では、カーン氏率いるPTIと主要野党PML-Nの激戦が演じられた。パキスタン選挙管理委員会(ECP:Election Commission of Pakistan)の発表によると、国会下院議席に関しては、PML-NとPTIが各4議席、パキスタン・ムスリム連盟カーイデ・アーザム派(PML-Q:Pakistan Muslim League Quaid-e-Azam)が2議席、MMAが1議席をそれぞれ獲得した。
州議会議席については、PTIが11議席、PML-Nが7議席を手に入れた。アースィフ・アリー・ザルダーリー前大統領率いるパキスタン人民党(PPP:Pakistan Peoples Party)とアワーミー国民党(ANP:Awami National Party)は各2議席を獲得、無所属候補が別に2議席を得た。パンジャブ州では改選された11議席中PML-Nが6議席、PTIが5議席を手に入れた。PML-Nはまた、PTIの本拠地カイバル・パクトゥンクワ州でも1州議会議席を獲得した。PML-Nは、少なくとも国会議席2議席を含む7月25日の総選挙でもともとPTI候補が獲得した少なからぬ議席を手に入れた。
【ニュースソース】
China did not ask for military access to Gwadar, says Pakistani admiral
Nawaz Sharif’s PML-N improves showing in Pak by-polls
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