【ニューデリー】公式筋によると、中国軍兵士の一団が、7月、アルナチャルプラデシュ州ディバン渓谷の実効支配線(LAC:line of actual control)を越え短時間インド側に侵入したが、インド側の抗議後自国領に引き上げた。事件はナレンドラ・モディ首相と中国の習近平主席の会談が数週間後に迫る中、7月25日前後に発生した。こうした事態は、ブータン西部ドクラム高原におけるインド軍と中国軍の72日間の対峙の1年後に起こった。
中国兵10人以上が東北州アパー・ディバン地区に見いだされた。地元民は彼等を写真に撮り、インド軍に知らせた、後者は中国人民解放軍の部隊に自国領に撤収を求めた。7月に発生した同越境事件は、アルゼンチンのブエノスアイレスで開催されるG20サミットの合間に行われる予定のモディ首相と習主席の会談に先立つこと数週間の10月15日になって初めて明るみに出た。G20サミットは11月30日~12月1日に開催され、両首脳は二国間問題について協議する見通しだ。
モディ首相と習主席は、武漢における両者の非公式サミット後、中国青島における6月の上海協力機構首脳会議と南アフリカのヨハネスブルグで開催された7月のBricsサミットの合間にも2度会談している。武漢会談後、両国はドクラムの亡霊を埋葬し、3488キロの実効支配線(LAC:line of actual control)の平和と安定を維持する方針を決めた。8月に両国の国防相が会談した際には、『実務レベルでのより幅広い交流』を行うことが合意された。数ヶ月以内に生じた侵入事件は、既定の手続きに従って処理された。中国軍部隊は、インド領と見なされる領域に彼等が立ち入っていることが指摘された際、ポジティブに反応した。国境に対する認識の違いから、中国軍部隊によるインド領侵犯は日常的に生じている。しかし、そうした侵犯の頻度は、二国間関係の情況に応じて変化する。
インド陸軍筋がデカン・ヘラルドに語ったところによると、「実効支配線(LAC)に対する認識の相違から、国境部隊は彼らの認識に基づいて限界までパトロールを行う。人民解放軍の兵士はそのようにしたが、インド側から越境している事実が伝えられると、中国軍のパトロール兵は彼等の領域に引き上げた。」
○中国、インドからの輸入拡大に同意:プラブー貿易相
【ニューデリー】インドのシュレシュ・プラブー貿易相は10月26日、中国はインドからの輸入を増やすことに同意したと語った。
プラブー貿易相は、インド産業連盟(CII:Confederation of Indian Industries)が主催したイベントの席上「世界的混乱はインドの輸出機会を増やす」と指摘した。プラブフ貿易相は、中国当局は、市場アクセスと貿易規則に関する懸念に対処するため、11月に特にインド輸出業者との会合を開くと語った。
インドの対中貿易赤字は、他のいずれの国に比べても最も大きく、北部国境を越えて電子機器や他の品目が大量に流入している。インド政府は、10月25日、このギャップを埋めるため中国向け米と菜種の輸出を増やす方針を発表した。