【ワシントン】インドは最近、セーシェルにおける基地建設に失敗したが、長期的には、戦略的優位を実現する可能性がある。
セーシェルのダニー・フォール大統領は、先月インドを訪問した際、赤絨毯待遇を受けた。彼は、小さなインド洋国家のために防衛面で大きな土産を持ち帰った。2機目のドルニエ航空機、海上安全保障協力のための1億米ドル信用枠、そして非軍用商船情報共有契約(white shipping agreement)。しかし、セーシェルは、両国の共通の利益に関して慎重な外交辞令を弄したものの、インドの軍事基地建設を拒絶すると言う決定に再考を加えることは終に応じなかった。多くの小国同様に、セーシェルはその外交的アプローチを「全ての国の友となり、誰の敵にもならない」と表現している。
セーシェルに基地を建設することが、インド洋の秩序に及ぼす波及効果は自明のことと言える。日本が2011年にジブチに軍事基地を設けた時、同地に基地を有するのはフランスとアメリカだけだった。このイニシアチブは、平和憲法を改正するための東京の広範な取り組みの一環だが、日本は、迂闊にも北東アジアのもう一人の覇者がアフリカに軍事基地を建設する先例を作った可能性がある。ジブチの場合と同様に、アサンプション島におけるインドの努力が、中国がセーシェルの他の島に独自の基地を建設する前例になるかどうかは、依然定かでない。
インド海軍は、海外に軍事基地を保持しなくても、インド洋全域の港に広範なアクセスを保持している。セーシェルは目下アサンプション島に独自の基地建設を計画しているため、インドは最終的に同島におけるアクセスを手に入れられるかも知れない。しかし、より重要なのは、インドがその海事能力の経済的側面を拡大することである。オブザーバーらは、インドと日本の協力の下、中国の『一帯一路計画』に代わるものとして、『アジア・アフリカ成長コリドー』が如何に浮上して来るかを見守っている。その種の投資は、インド洋の諸小国により歓迎されている。こうした国々は明らかな欠点を有する中国のインフラプロジェクトやビジネス・プラクティスの代替案を模索している。地域的および世界的な貿易網につながる内的および外的コネクティビティの構築を目指す小規模国家は、引き続き中国以外のインフラストラクチャー・オプションを求めている。
彼らの比較優位性は、米国、日本、フランス、そしてインド等の中国の拡張に脅威を抱く主要国が如何に緻密にインド洋地域の小国との戦略的関係を深めることができるかと言うことに他ならない。
作者のニランティ・サマラナヤケ女史は、ワシントンDCの非営利調査会社CNAの戦略研究アナリスト。この記事は、ペンシルベニア大学インド先進研究センターとの特別契約に基づき作成された。
【ニュースソース】
Asia hungry for military bases in Africa
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