1996-01-18 ArtNo.4634
◆<星>石油精製マージン改善、今年第1四半期中は好調持続
【シンガポール】当地の石油トレーダーらは現在の高い精製マージンが少なくとも向こう3カ月は持続するものと予想している。
石油製品価格の下降、相対的に高い原油価格、米国や欧州等の非伝統諸国からの石油製品の流入等から昨年の粗マージンは70米セント、プライマリー・マージンはマイナスに落ち込んだ。しかし冬季の需要増に加えて、一部製油所の操業停止が予想以上に長期にわたったこと、多くの国における精製量の削減等から先週の石油製品価格は1バレル当たり20米ドルと、8カ月来の高値を記録した。三井石油アジアのトレーダーによると、現在の製油マージンはバレル当たり3~4米ドルに改善している。モーガン・スタンレー・キャピタルの幹部は「先週に比べマージンは心持ち下降しているものの、依然として良好な水準を維持しており、3カ月前に予想されたものとは全く異なる」と指摘する。シェル社幹部も「インドとインドネシアの製油所のトラブルは依然未解決で、高めの製油マージンは第1四半期の大部分にわたり維持される」と見通した。しかし第2四半期以降はまた下方圧力を受けると言う。インドの2製油所は事故のため、不完全操業がなお続く見通しで、インドネシアのチラチャップ製油所は貯油タンクが再建されるまではフル操業体制に復帰することができないものと見られる。某トレーダーは、暖冬予想もあって石油製品価格は原油価格とともに再度軟化しており、一部の石油製品はバレル当たり10~15米ドルに値下がりしているものの、マージンは依然良好と語る。先のシェル幹部はまた原油価格の下降は石油製品価格の不振に対応したもので、製油マージン全体にはそれほど大きなインパクトを与えないと語った。(BT:1/17)
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