【ニューデリー】ソフトバンク、セコイア・キャピタル、タイガー・グローバル等のグローバル投資家は、電子商取引政策(e-commerce policy)草案が発表されたのを機に共同戦線を構築することを検討している。これらの投資家らは、同草案が、彼等がこれまで投資してきた企業のインド人創設者らに傾斜した内容になっていると見ているようだ。
これらの外国投資家は、過去10数年間に彼等が投資した750億米ドルの資本を先を争って回収を図っており、このための戦線が構築されつつある。消息筋によると、ソフトバンク・グループは、『インド改造全国評議会(NITI Aayog:National Institution for Transforming India Aayog)』、商務省、財務省のオフィシャルに、文書で、投資家や他の関係方面の利益に配慮するよう申し入れたと言う。
○電子商取引のGST源泉徴収廃止も
【ニューデリー】電子商取引(E-commerce)業者は、電子商取引政策(e-commerce policy)法案が発行した暁には、商品サービス税(GST:goods and services tax)制度下の源泉徴収税が廃止されるのを目にすることができるかも知れない。
専門委員会の報告書は、源泉徴収税に見直しを加えることを提案しており、同業界は源泉徴収コンセプトが完全に廃止されるものと見ている。最高1%の源泉徴収税は今年9月まで延期されており、まだ徴収されていない。オンライン・マーケット、ショップクルーズのスポークスマンによると、電子商取引業者にとどまらず、中小零細業者や売り手も恩恵を被ると言う。
○電子商取引ポリシーの割引の論理
【ニューデリー】商務省特別委員会により作成された『電子商取引国家政策(NPEC:National Policy on Electronic Commerce)』草案は、今後さらにシュレシュ・プラブー商工兼民間航空相を長とする70人のメンバーから成るシンクタンクにより精査される。
市場規模250億米ドルと見積もられるインドの電子取引(e-tail)ビジネスは、国内小売り産業のほんの小さな部分を占めているに過ぎないが、最近は一部に驚異的なアクティビティーが散見されるようになった。これにはシンガポール拠点のインド企業フリップカートと多国籍の巨人ウォールマートの合併が含まれる。電子商取引のパイは、スマートフォン、安価なデータ・アクセス、そして支出の増加を背景に、向こう10年間に2000億米ドルに拡大すると予想されている。
NPEC草案は、業界全体を監督する単一の規制機関の創設を提案しているが、異なる権限を行使するには複数の省庁や他の規制当局との合意形成が必要になるだろう。NPEC草案が提案するアイデアには、電子取引業者が提供する割引優待のサンセット条項やマーケットプレース運営業者が支援する売り手に関する制限が含まれる。独自在庫を保持するプレーヤーに対する外国直接投資の制限の撤廃も提案されているが、地元パートナーが過半数を占め、全ての商品はインド国内で生産されねばならないだろう。データの保存と加工をインド国内に制限すると言う提案により、電子取引のコストも上昇しそうだ。その一方で、消費者と業者は『Rupay』カードを通じた支払いに疑問を呈することができるだろう。NPECは、オンライン小売業進出を計画する人々の夢を挫くかも知れず、雇用創出の機会や消費者の利益もNPECにより失われる可能性がある。