SEAnews 2018-08-16 ArtNo.46319

【ニューデリー】国民会議派は、アッサム州において４００万人の住民が国民登録(NRC:National Register of Citizens)簿に記載されなかった問題を巡りインド人民党(BJP:Bharatiya Janata Party)が投じた挑戦にのらない方針を決めた。
　会議派は、８月１１日に催された国民会議派作業部会(CWC:Congress Working Committee)の席で同問題を長時間討議した末、『党員は、BJPがイスラム教徒をターゲットにNRC報道を利用していることに対する刺激的発言や同問題をハイライトすることは避けるべきである、なぜならそれはBJPのコミューナル・アジェンダの拡散を助けることに他ならないからである』と言う理性的な方針を決めた。
　CWC会議は、「国民会議派はこの問題を低調に扱うべきである。なぜなら会議派はNRCの生みの親であり、アッサム州における『非合法住民(illegal citizens)』を選別する手段としてNRCを導入したのは同党のマンモハン・シン前首相に他ならないからである」という結論に達した。会議では、『国民会議派はセキュリティ問題に軟弱である』と言うBJPの非難をかわすための事実や数字を列挙する方針も決まった。同時に、同党のアッサム州支部に対しては、NRCに記載されなかった住民に必要な支援を提供することが指示された。
　BJPのアミット・シャー全国総裁が国会および記者会見の席上、NRCを導入し、違法移民を抑制する勇気を示したのは、BJPだけであることを表明、NRC問題を次期総選挙の争点にする姿勢を明確にする中で、国民会議派は、以上の方針を固めた。シャー氏によると、１９８５年に当時のラジーヴ・ガンディー首相によってアサム協定が署名されたにもかかわらず、国民会議派は不法移民問題に取り組まなかった。シャー氏は、野党に不法移民問題に対する立場を明確にするよう求めるとともに、「国民会議派は国家の安全保障問題に対する姿勢が軟弱である」と非難した。
　BJPの積極的ピッチは、国民会議派の出鼻をくじき、ほぼ完全に反撃を封じることに成功したようだ。

○アッサム当局、草の根会議派視察団を空港で拘束

【シルチャル／ニューデリー】アッサム警察は、８月２日、アッサム南部のクンブヒルググ空港で西ベンガル州から来た草の根会議派議員８人から成る代表団を拘束した。
　国会議員６人と州議会議員２人からなるチームは、７月３０日に公表された国民登録(NRC:National Register of Citizens)草案から生じる状況を視察するために２日間の日程で到着、NRCリストから除外された人々を訪問する予定だった。８人のうち６人は、空港で一晩拘束された後、３日朝アッサムを出境したという。
　草の根会議派のサウガタ・ロイ議員は、８月２日の国会下院審議の冒頭、アサム州におけるNRC問題を提起、ラジャス・シン内相は直ちに同州を訪問すべきだと述べた。ロイ氏は、ベンガル語を話すイスラム教徒やヒンズー教徒とは別に、ビハール州、ウッタル・プラデシュ州、グジャラート州、タミルナド州の人々も、NRCから除外された４００万人に含まれているとし、この問題を討議するため、休会動議を提出した。同議員は、除外されたものには６０万人のマトゥア(Matua)と言う指定カースト(Scheduled Caste)も含まれており、西ベンガル州のママタ・バネルジー首席大臣は『中央政府は植民地時代の分割統治政策を応用しているのではないか』と疑問を呈していると付言した。

【ニュースソース】

Worried that the BJP may be winning the perception battle, Congress carefully changes stance on NRC

Trinamool team held at airport in Assam

TMC delegation leave Assam after overnight detention at Silchar airport

NRC update: Rajnath should visit Assam, says Trinamool MP Saugata Roy

○世界は一つ：